軍用空港移転で「4年超の空白」、韓国空軍第1戦闘飛行団の分散配置に懸念の声

【韓察日報】全羅道への半導体クラスター造成事業に伴い、光州軍用空港に駐屯する空軍第1戦闘飛行団が基地を明け渡すこととなり、作戦および教育・訓練機能が他地域へ一時的に分散配置される。韓国KBSなどの報道によると、全羅南道務安に新設される軍用空港の完成が2032年末となるため、少なくとも4年以上にわたり各地の基地へ一時配備される見通しだ。広い空域を必要とする飛行訓練の制限や、既存基地の過負荷による安保の空白を懸念する声が高まっている。

■2年以内の退去と2028年までの分散配置
 国産高等訓練機T-50や戦術訓練機TA-50を運用する空軍第1戦闘飛行団は、戦闘パイロットの育成だけでなく、中国軍用機が韓国南西部の防空識別圏(KADIZ)に侵入した際の緊急出撃など、領空防衛の要を担ってきた。しかし、同駐屯地が半導体クラスター用地に選定されたことで、2年以内に現在の基地から退去する必要が生じた。

 これに伴い、第1戦闘飛行団傘下の戦闘飛行隊1個と訓練飛行隊2個が一時配備される。韓国・大田日報の報道によると、国防部や合同参謀本部、空軍は2028年までに、T-50およびTA-50ブロック2を運用する飛行大隊を、忠清南道瑞山の第20戦闘飛行団、忠清北道忠州の第19戦闘飛行団(中原基地)、慶尚北道醴泉の第16戦闘飛行団へそれぞれ配置する計画を推進する。これは湖南圏の半導体開発を迅速に進める政府の要請に基づく措置であり、現在は第1戦闘飛行団の維持の可否や再編案についての検討も進められている。

■空域不足と基地の過負荷
 懸念されているのは訓練環境の低下だ。一時移転先の基地周辺の空域は光州に比べて狭く、高等飛行訓練で必要とされる広大な空中機動空間の確保が難しい。予備役空軍准将のイ・ヒウ氏は「光州を離れると広い空域を確保できないため、訓練に相当な支障をきたす」と指摘する。

 パイロット1人の高等飛行訓練には50回以上の飛行が不可欠とされる。既存基地に大隊級の戦力と兵力が加わることで、限られた滑走路や格納庫、整備施設での運用を余儀なくされ、作戦・教育飛行の過負荷が避けられない。2032年に務安に新しい軍用空港が竣工するまで、過酷な臨時運用が続く見込みだ。

■安保の空白防止に向けた動き
 こうした事態に対し、国防部のイ・ギョンホ副報道官は「安保と警戒態勢への影響を最小限に抑える方向で推進する」と説明した。軍当局は、緊急待機戦力の調整やシミュレーターといった教育施設の移転を通じて防衛態勢の空白を最小限に抑え、務安の新空港完成後に順次部隊を移転させる方針だ。

【編集長の韓察眼】
 経済振興を優先した政治判断が、国防基盤の現場へ歪みをもたらす典型例だ。地域開発を狙う大規模半導体投資の煽りを受け、防空と操縦士育成の要である基地が長期不在を強いられる構図である。分散配備先の過負荷や訓練空域の不備は防衛態勢に直結するため、安易な臨時対応で済まされる問題ではない。2032年の新空港完成まで、安全保障の空白を最小化できるか、軍と政府の実務的な手腕に注視したい。

出典: 韓国KBS / 韓国・大田日報

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