【韓察日報】ドナルド・トランプ米大統領が、定例の米韓合同演習「ウルチ・フリーダム・シールド」の開幕を控えるなか、演習規模を大幅に縮小するよう指示した。韓国KBSなどの報道によると、トランプ大統領は自身のSNSを通じ、北朝鮮の金正恩総書記との良好な関係や膨大な演習費用を理由に挙げ、軍事演習に難色を示した。これを受け、米軍当局は韓国軍との緊急調整に着手したが、根回しのない唐突な指示に軍内部では混乱が広がっている。
■金正恩氏との関係アピール…対話誘導の狙いも
トランプ大統領はSNSへの投稿で、金正恩総書記とは「非常に良好な関係にある」と強調した。演習が敵対的なメッセージと捉えられかねない点や、米国の費用負担が多額に上ることを懸念し、演習の縮小を指示したと明かした。大統領は前日にも2019年の板門店会談の写真を投稿し、両者の蜜月ぶりを演出していた。
トランプ大統領が米韓演習の縮小に踏み切るのは、第1期政権時の2018年米朝首脳会談以来となる。今回の指示についても、北朝鮮を脅威とみなさない姿勢を示し、北朝鮮側に対話に応じる名分を与える狙いがあるとみられる。なお、トランプ大統領は李在明大統領に対し、イランの非核化に向けた取り組みへの協力を求めたものの、辞退されたことも公表した。
■国防総省は対応追われ「即興的判断」との指摘も
トランプ大統領の一方的な発表により、米軍現場は対応に追われている。ヘラルド経済新聞は、米国防総省が17日(現地時間)、軍最高司令官である大統領の指示を履行するため、演習の日程や規模の調整に向けて韓国軍当局と協議を開始したと報じている。
しかし、国防総省は当初「変更はない」と発表した数時間後に前言を撤回し、ホワイトハウスへの照会を求めるなど、内部の足並みの乱れを露呈した。ヘラルド経済新聞が伝えた米ニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、米軍高官はトランプ大統領の突然の決定に困惑を示しており、今回の措置は計算された対北朝鮮政策というよりも、即興的かつ一方的な判断である可能性が高いと分析している。
【編集長の韓察眼】
イラン非核化への協力拒絶に対する意趣返しとも映るが、本質は費用削減と米朝対話再開を狙う政治的思惑にあろう。2018年の前例を思わせる事前協議なき判断は、連合防衛態勢の抑止力を揺るがしかねない。実質的な非核化を伴わない安保上の譲歩は足元を見られるリスクを孕む。同盟の信頼回復に向け、韓国外交の危機管理能力が試されている。


