【韓察日報】非武装地帯(DMZ)の最前線で北朝鮮軍と直接向き合う陸軍第1軍団が、監視哨所(GP)や一般前哨(GOP)に配備されたK6重機関銃に約半年間にわたり実弾を装填しないまま警戒作戦を行っていたことが判明した。チャンネルAなどの報道によると、誤射事故による北朝鮮との不測の衝突への拡大を懸念した現場措置とみられるが、軍の警戒態勢の弛緩や指揮系統の不備を指摘する声が強まっている。
■衝突懸念で「未装弾」放置 合同参謀も把握できず
京畿道西部戦線および首都圏北西部地域の最前線を担当する第1軍団は、1月よりK6重機関銃に実弾の入った弾帯を装着する「装弾」を行わず、弾薬を横に置いておくだけの状態で勤務を続けていた。通常、前線地域の警戒部隊では即応性を保つため装弾が原則とされている。
2024年6月に北朝鮮軍が軍事境界線を越境した際、K6重機関銃による警告射撃で対処した経緯があるほか、北朝鮮側の監視哨所は約160カ所と韓国側の2倍以上に上る。それにもかかわらず、前線の警戒作戦を統括する合同参謀本部は、過去6ヶ月間にわたってこの事実を把握していなかった。
韓国軍事問題研究院のキム・ヨルス安保戦略室長は「前線に近づくほど危険性は高まる。装填を行わなければ完了までに10秒近くを要し、警戒態勢そのものが崩れてしまうため装填は不可欠だ」と危機感を示した。これに対し合同参謀本部は「現場を確認した上で必要な措置を講じる」と明かした。
■兵力削減と技術依存がもたらす警戒の穴
こうした事態の背景には、深刻化する兵役資源不足と現場の負担軽減に向けた試みがある。アン・ギュベク国防部長官は4月、「人工知能(AI)基盤の科学化警戒システムを導入し、GOPの警戒兵力を2万2,000人から6,000人に削減する」と表明した。国防部は閉回路テレビ(CCTV)によって不寝番を代替する部隊管理訓令の改正案を行政予告するなど、技術による補強を進める方針だ。
しかし、韓国日報は30日付の社説で「いくら技術が発達しようとも作戦の基本を破れば防衛態勢に穴が開くのは火を見るより明らかだ」と分析している。衝突防止という名目であっても、指揮官の恣意的な判断が軍の作戦体系と規律を揺るがす恐れがあるとし、徹底的な経緯把握と責任追及の必要性を強調した。
■演習縮小と人事混乱 重なる国防の不確実性
軍の不備は現場の警戒態勢にとどまらない。朝鮮日報は30日付の社説で、戦時作戦統制権の移管に必要な能力検証のための韓米合同演習が各種の理由で縮小・延期されており、軍が合同演習に消極的であると報じている。
同紙は、戒厳令関与の疑惑をめぐり軍人50人が一斉に懲戒処分を受けた問題についても、不当に除隊させられたケースが散見され、政治的理由による有能な幹部の離脱が軍の空白を生んでいると指摘した。
警戒・指揮・将校養成という国防の中核全般が不安定化しており、現場の「未装弾」問題は単なる一部隊の不祥事ではなく、軍全体に広がる複合的な危機の表れとして波紋を広げている。
【編集長の韓察眼】
衝突回避を優先した結果として現場の判断が即応性を損なった点、合同参謀本部が半年間把握できなかった点はいずれも、韓国軍の指揮系統の形骸化を示す。省力化を狙う科学化警戒への過度な依存や人事的混乱が重なる中、現場のリスク管理と即応態勢をいかに両立させるか。実効性ある作戦規律の再構築と統合防衛体制の立て直しを注視したい。


