【韓察日報】ウクライナとの戦争を継続するロシアが北朝鮮に対し、約3万人の兵力を追加派遣するよう要請したと伝えられるなか、北朝鮮側がその見返りとして潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の核心技術の移転を求めていることが分かった。第1次派兵で十分な見返りを得られなかったとされる北朝鮮は、実戦運用に必要な射出技術の獲得を目指す構えだ。チャンネルAなどの報道によると、ロシアは韓国からの反発を警戒して技術提供に慎重な姿勢を見せているものの、韓国政府は事態の推移を注視している。
■核心技術「コールドローンチ」の獲得狙う
北朝鮮が求めているとされるのは、SLBMの実戦運用に不可欠な「コールドローンチ(水中射出)」技術である。これは水中で圧力をかけてミサイルを押し出した後、空中でエンジンに点火するもので、ロシアを含む世界で7カ国しか保有していない。発射時に潜水艦内へ海水が流入するのを防ぐ特殊技術が核心であり、実現すれば遠洋から密かに複数発を連続発射することが可能になる。
北朝鮮は「北極星5号」などのSLBMを保有するものの技術が不足しており、過去の試験発射を貯水池で行わざるを得ず「貧者の核潜水艦」と酷評された経緯がある。韓国国家戦略研究院のユーラシア研究センター長ドゥ・ジンホ氏は「SLBMの射出能力を含め、北朝鮮は潜水艦に関する先端技術の移転を要求するだろう」と分析する。
■ロシア側の慎重姿勢と「レッドライン」
もっとも、ロシア側は技術移転に消極的とされる。北朝鮮に同技術を提供すれば、韓国がウクライナへの軍事支援を本格化させる口実を与えかねないためだ。ある韓国政府筋は「ロシアが一種の『レッドライン』であるSLBM発射技術を提供するかどうか、注視を続けている」と語った。
■3万人派遣警告と多角化する情勢監視
一方、京郷新聞は、ウクライナのゼレンスキー大統領が北朝鮮による3万人追加派遣の可能性に言及し、自国の安全保障にとって深刻な脅威になると警告したと報じている。
韓国政府は北朝鮮軍の具体的な実態を把握するため、チェ・ソンヒ外相のロシア訪問や露朝間の戦略対話の内容について分析を進めている。特に、列車などの交通手段を用いた大規模移動の有無を監視する方針だ。あわせて北朝鮮国内でのドローン生産工場設立の可能性についても情報を収集しており、国際社会が北朝鮮の軍事力強化に懸念を強めるなか、韓国政府の迅速な対応が急務となっている。
【編集長の韓察眼】
露朝の取引は兵力提供の代償として「戦力投射の質的転換」を狙う構造へと深化している。北朝鮮が求めるコールドローンチ技術は、二次打撃能力を決定づける核抑止の核心である。ロシアが対韓関係の破綻を恐れて技術移転をレッドラインと見なす中、北朝鮮が追加派兵をテコにどこまで譲歩を引き出せるかが今後の焦点だ。朝鮮半島の安全保障を根本から揺るがす軍事技術移転の攻防に注視したい。


