【韓察日報】法務部長官候補を辞退した「共に民主党」のキム・スンウォン(金勝源)議員をめぐり、同氏が京畿道党委員長時代に行っていたとされる会計不正疑惑の波紋が広がっている。TV朝鮮などの報道によると、キム議員の元補佐官A氏は今年7〜8月の全党大会当時、党代表当選が有力視されていたキム・ミンソク(金民錫)代表に対し、不正会計疑惑をまとめた報告書を事前に送っていたという。キム代表が疑惑を把握しながらキム議員を「適任」と擁護し続けた疑惑が浮上するなか、野党「国民の力」は「大失敗の人事」だとして政権批判を強めている。
■全党大会前から届いていた「不正告発」
A氏は今年2月に京畿道党の会計不正疑惑を把握して以降、中央党や親・李在明派の議員らに数回にわたり内容を伝達していた。さらに7〜8月の全党大会の際には、「党代表になったら一緒に改革を進めてほしい」とのメッセージと共に報告書ファイル2件をキム・ミンソク代表に送信した。メッセージは既読になり、第三者を通じて「検討する」との回答を得たとA氏は主張している。
しかし、キム代表はキム議員が法務長官候補に指名された後の今月11日にも、「見れば見るほど適切な人事だ」と評価し、擁護を続けていた。キム代表側は「一方的な主張にいちいち対応するのは難しい」と釈明している。
なお、セクハラや追加の飲酒運転疑惑が含まれた嘆願書は党指導部には届いておらず、大統領府と一部の法務委員にのみ伝えられたとみられる。共に民主党のパク・ソンジュン首席報道官は「党に嘆願書が受理された形跡はない」と説明した。
■45ページの資料が明かす「返金・水増し」の手口
元補佐官が提示した不正の具体像も明らかになりつつある。韓国SBSは、A氏が今月17日に大統領府のホン・イクピョ政務首席に伝達した資料が、計45ページ(7類型、35事例)に及ぶPPT形式の報告書であったと報じている。
同報道によると、資料には不正を示す複数の事例が盛り込まれている。具体的には、一部の党職員に給料とは別で100万〜200万ウォンを追加支給した後に別口座から返金させて他用途に流用した「給与のキックバック」疑惑が挙げられる。さらに、京畿道党会議室で行った教育研修の費用として135万ウォンをホテルの会場費名目で虚偽記載した疑惑や、ワークショップ費用を約3倍に水増しして残金を流用した事例なども含まれている。
これに対し、共に民主党のシン・ヒョンヨン報道官は22日のラジオ番組で「党代表も当時は知らなかった」とし、京畿道党レベルで事実関係を確認中だと述べた。
■野党「国民の力」は1万人集会で「人事惨事」と批判
キム議員の辞任以降、キム・ミンソク代表ら指導部が沈黙を守る一方、野党「国民の力」は攻勢を強めている。国民の力は国会で政権の失政を糾弾する集会を開催し、党員や支持者など約1万人が集結した。
国民の力のチャン・ドンヒョク代表は、相次ぐ閣僚候補の辞退を「大失敗の人事」と規定した上で、その背後に「京畿・城南ライン」やキム・ヒョンジ大統領府第1付属室長が存在すると指摘した。今回の事態をめぐり、与野党は国会国政監査での「京畿・城南ライン」中核人物の証人選定などをめぐり、一層激しい攻防を繰り広げる見通しだ。
【編集長の韓察眼】
不正告発の報告書を事前把握しながら擁護を続けた与党の政治的責任は極めて重大だ。相次ぐ閣僚人事失敗の責任は党指導部にとどまらず、非公式な「京畿・城南ライン」の暗躍疑惑へと波及した。疑惑を抱えるキム氏の指名を強行せざるを得なかった背景と、党内権力の実態を今後も注視したい。

