【韓察日報】韓国政府は4日、李在明大統領の主宰で閣議を開き、検察官の直接捜査権および補完捜査権を全面的に廃止する刑事訴訟法改正案を審議・議決した。MBNなどの報道によると、同法案は大統領の裁可と公布を残すのみとなったが、野党「国民の力」は公布時の憲法訴願請求など法的対応に乗り出す方針だ。一方、国民の過半数が補完捜査権の必要性を認識しているとの調査結果も出ており、法改正の是非をめぐり波紋が広がっている。
■捜査権廃止と裁判所の公訴棄却権限を規定
改正案には、検事の事件認知などの直接捜査権や、警察からの送致事件に対する補完捜査権の法的根拠を削除する内容が盛り込まれた。あわせて、重大な違法捜査や訴追裁量権の著しい逸脱などの事由がある場合、裁判所が公訴棄却の判決を下せるよう規定している。
野党側は、改正案が犯罪被害者の権利を侵害するとして李大統領に拒否権の行使を促していたが、李大統領は拒否権を行使しなかった。補完捜査権の存廃が政治的論争へ発展するのを防ぐため国会の判断を尊重した形だ。これに対し「国民の力」は、改正案が公布された段階で憲法訴願を提起するなど、法的対抗措置を講じる構えだ。
■世論調査では6割超が「補完捜査権は必要」
政府主導の法改正が進む一方、国民感情には慎重論が目立つ。韓国SBSはハンギルリサーチの世論調査を引用し、回答者の62.5%が検察の補完捜査権が必要だと回答したと報じている。支持政党を問わず過半数が肯定的な見解を示しており、特に中道層において同意した割合は70.5%に達した。
なお、検察に対する信頼度は「信頼する」(48.1%)と「信頼しない」(48.4%)で拮抗しているのに対し、警察に対する信頼度は55.2%と半数を超えた。あわせて実施された李在明政権の不動産政策に関する調査では、否定評価が57.6%を占め、特に大邱・慶北地域で厳しい視線が注がれる一方、年代別では30代で最も高い評価を受けた。
■選管特検法と半導体特別法施行令も閣議を通過
同日の閣議では、法案のほかにも重要案件が次々と閣議決定された。先の地方選挙で発生した投票用紙不足など、選挙管理の不備疑惑を解明するための「選管特検法(国民の参政権侵害疑惑の真相究明のための特別検察官の任命等に関する法律案)」が議決され、特別検察官は国民推薦委員会を通じて推薦されることとなった。
また、今月11日に施行を控える「半導体特別法」の施行令も議決され、半導体産業競争力強化特別委員会の組織・運営や、半導体クラスターに対する具体的な支援内容が取りまとめられた。
【編集長の韓察眼】
検察改革を巡る「捜査と起訴の分離」は長年の懸案であり、今回の補完捜査権廃止で大きな節目を迎えた。しかし、世論調査で6割超が機能維持を肯定し、中道層の支持も高い点は見過ごせない。警察への権力集中や捜査遅延への問題意識は根強く、政治的決着の一方で国民の不安は解消されていない。今後は野党の憲法訴願などの法的対抗と、実際の刑事司法の現場における実務的混迷の抑止が最大の焦点となる。


