サメ1頭に50万人熱狂? 700億ウォン投入「麗水島博覧会」と明暗

【韓察日報】釜山港の人工水路に突如現れた体長3.5メートルのサメを見ようと、連休期間だけで50万人近くの訪問客が殺到する異例のフィーバーが起きている。YTNなどの報道によると、一切の予算を投じずに絶大な宣伝効果を得た釜山市の一方で、700億ウォン以上の事業費を投じた「麗水世界島博覧会」は来場者数の伸び悩みに直面しており、対照的な光景が話題を呼んでいる。こうした中、サメの滞留長期化による健康悪化を防ぐため、29日から船舶やウォーターポンプを動員した外海への誘導作戦が開始される見込みだ。

■偶然の「珍客」に50万人が熱狂 巨額事業との明暗
 釜山北港親水公園の人工水路に居座ったサメは、市民から「ブカンイ」の愛称で親しまれ、SNSを中心に爆発的な人気を集めた。都心に大型のサメが現れたという意外性と希少性、そして「いつ去ってしまうか分からない」という不確実性が人々を惹きつけ、目撃情報や関連動画が次々と投稿された。釜山の公式マスコット「ブギ」と絡めたコンテンツが制作されるなど、人気キャラクターとして定着する勢いだ。

 チョン・ジェス(田載秀)釜山市長もラジオ番組で「何兆ウォンをかけてもできない宣伝効果だ」と驚きを隠さず、予期せぬ珍事による地域活性化の波を歓迎した。

 これに対し、700億ウォン以上の巨額予算を投じた「麗水世界島博覧会」は対極の状況に置かれた。開幕当初は飲食環境や展示内容の不十分さが批判され、SNSでは「ブカンイ」と比較されて嘲笑の対象となる場面もあった。秋夕(チュソク)当日に無料入場の対象拡大やK-POPコンサートなどの施策で6万人を超える来場者を記録し、序盤の不振を一部挽回したものの、博覧会が掲げた「島と未来」というビジョンが訪問客の共感を得るには至っていないとの評価が根強い。

■フィーバーの裏で迫る健康リスク 官民一体で「外海への誘導作戦」
 フィーバーが続く一方で、狭い水路への滞留によるリスクも浮き彫りとなっている。MBNが伝えるところによると、国立水産科学院の調査結果ではサメの健康状態は現在安定しているものの、水路の幅や水深、移動経路の制限により摂食活動や自由な移動が妨げられている。このまま滞留が長引けば体力の低下が懸念されるため、当局は外海への復帰作戦を推進する方針だ。

 29日午前10時から開始される誘導作業には、海洋警察の4.6トン級小型艇や3トン級救助艇、消防救助ボートが投入される。ウォーターポンプによる水流を利用して外海へ誘導する計画で、現場には中央海洋特殊救助隊なども配置されて安全管理を強化する。また、乗船する国立水産科学院の専門家がサメのストレス状態を常時確認しながら作業を進め、誘導がうまくいかなかった場合は網を活用した補助方式へ切り替える準備も整えている。現場周辺では殺到する群衆の安全管理も徹底される見通しだ。

■イベント乱立時代の「集客のあり方」
 今回の対照的な事態は、全国各地で相次ぐ地域活性化イベントのあり方に一石を投じている。単に予算規模や経済効果といった成果の数字を誇示する前に、「なぜ人々がその場所を訪れるべきなのか」という本質的な動機づけと魅力の検証が不可欠であるとの指摘が強まっている。

【編集長の韓察眼】
巨大予算を投じた自治体イベントが空転する背景には、テーマの陳腐化や共感を置き去りにしたハコモノ主導の行政手法が存在する。偶発的な珍客に50万人が熱狂した釜山の事例は、SNS時代のストーリー性が巨額宣伝を凌駕する現実を裏付ける。保護・誘導作戦の行方とともに、今後「麗水世界島博覧会」がどこまで巻き返せるかに注視したい。

出典: YTN / MBN

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