【韓察日報】韓国外交部傘下の国立外交院が管理するオンライン教育システムが長期間にわたり大規模なハッキング被害を受け、現役外交官や退職者を含む最大1万件の情報が流出した可能性があることが判明した。毎日経済新聞やNEWSISなどの報道によると、身元不明の攻撃者はシステムの未知のセキュリティ脆弱性を突き、約9~10カ月間にわたってサーバーに不正アクセスを続けていたという。政府は安全保障に関わる重大事態と捉え、緊急調査を実施している。
■最大1万件の情報が被害に 安保上の懸念も深刻化
外交部当局者が21日に明らかにしたところによると、ハッキングを受けたのは国立外交院のオンライン教育システムで、同システムには約1万件のデータが保存されていた。外交部本部の職員がほぼ全員含まれているほか、外交部退職者や他省庁から在外公館に派遣された公務員の一般情報も流出した可能性が指摘されている。
流出した情報には、職員の氏名やID、メールアドレス、暗号化されたパスワードに加え、従来対外的に非公開とされてきた役職や所属部署の情報が含まれていた。また、在外公館で勤務する情報担当の公務員に関する情報やメールリストも含まれていたとみられ、外部勢力が外交・安保担当者に接触しやすい状況が作られた。外交部当局者は「安全保障と無関係ではない状況と認識している」と述べた。ただし、写真や住民登録番号、携帯電話番号、住所といった機微な個人情報は保存されていなかったとしている。
■ゼロデイ脆弱性を悪用した高度な攻撃 検知遅れの一因に
ハッキングの手法や発覚の経緯については、メディアにより詳細な分析がなされている。NEWSISによると、攻撃者はサーバーソフトウェアの未公開のセキュリティ脆弱性(ゼロデイ脆弱性)とシステムのセキュリティ設定の不備を悪用し、昨年4月から5月にかけてサーバーを乗っ取った。その後、正規のソフトウェア権限を利用して今年2月までアクセスを維持していたという。
外交部は、当時ソフトウェアメーカーすら把握していなかったゼロデイ脆弱性が使われたため一般的な検知が困難であり、修正アップデートも提供されていなかったことから対応に限界があったと明かした。今年2月初旬に関係機関から異常アクセスの通報を受けたことで事態が発覚し、システムのアクセスは緊急遮断された。
■攻撃主体の特定へ調査進行 セキュリティ体制を全面強化
攻撃の主体は現時点で特定されていない。毎日経済新聞の取材に応じた外交部当局者は、技術的分析がまだ十分でないとしつつも「他国などの背後にいるハッキング組織を含め、あらゆる可能性を排除していない」と語り、北朝鮮や中国のハッキング組織による関与も視野に調査を進めていることを示唆した。
当該システムは外交部の内部ネットワークとは独立したシステムであり、現在は運用を完全に停止している。外交部はサイバー攻撃の高度化に対して深刻な懸念を示し、関係機関との緊密な連携のもと、内部セキュリティ体制の改善および管理措置を強化していく方針だ。


