【韓察日報】今年6月3日に投開票が行われた韓国統一地方選挙を巡り、投票用紙の管理不備や開票手続きの透明性に対する懸念が広がっている。ソウル市松坡区などの投票所で、通し番号が重複した投票用紙が使用されていた事実が捜査で明らかになったほか、地方選の投票率を水増しして操作した疑惑も浮上した。ソウル新聞などの報道によると、中央選挙管理委員会のずさんな管理体制に対する批判が高まる中、各地で再集計による票数の変動が確認されるなど、選挙管理の信頼性自体が揺らぐ事態となっている。
■同一の通し番号が手書き重複 ずさんな用紙管理の実態
検察・警察合同捜査本部は、松坡区選管傘下2カ所の投票所で、同一の通し番号が記入された投票用紙を発見し捜査を続けている。具体的には、A投票所で手書き記入された通し番号1000番の用紙が使われた一方、B投票所でも同一の1000番が記入された用紙が使用されていた格好だ。
公職選挙法上、投票用紙の通し番号は公正性と透明性を確保するため事前印刷が原則である。しかし「公職選挙手続事務手引」では、投票用紙の不足などに備え、有者数権に対し3%前後の通し番号無記載の用紙を用意できると規定されている。松坡区選管はソウル市選管から通し番号の割り当てを受け、通し番号無記載の用紙に印刷機や手書きで番号を記入していた。
しかし今回の大規模な用紙不足により、管理体制の粗雑さが表面化した。統一された基準なしに「1番、2番」と適当に並べて記入された事例や、空白のまま放置されたケースも確認されている。真相究明委員会によると、全国26カ所の投票所で計3,697枚の無番号用紙が配布された。合同捜査本部の関係者は、同一の通し番号の存在は投票の真偽判別を不可能にし、選挙結果の信頼性を根本から損なうと指摘した。さらに捜査の過程では、選管職員らによる投票率の組織的な水増し操作疑惑も浮上している。
■再集計でも得票数が変動 膨らむ選管への不信
一方、毎日経済新聞は、6・3地方選挙における慶南・統営市長選の再集計結果について報じている。同紙によると、再集計の過程で無効とされていた6票がチョン・ヨンギ前市長の有効票として新たに認められた。これにより当選したカン・ソクチュ市長との差は従来の44票から38票へ縮まった。
勝敗の結果自体に変化はなかったものの、再集計によって得票数そのものが変化した事態に対し、選管の検証手続きや透明性を問う声が相次いでいる。現場では保守系ユーチューバーらが、折り目がない新札のような投票用紙が発見された点などを問題視し、確認が不十分なまま開票が進められたと主張した。
選管側は印刷上の問題を公式には認めず、投票用紙の総数も当初の開票時と同一だと説明している。しかし、再集計時にはチョン前市長側の映像撮影を巡るトラブルで作業が約1時間遅延するなど混乱が生じた。最終的に異議が唱えられた用紙は別途分類され、すべての用紙が肉眼で再確認される形となった。
■問われる法制度と今後の防止策
合同捜査本部は、通し番号がない投票用紙へ任意に連番を記入した行為が選挙法違反に該当するとみているが、明確な罰則規定がないことから司法処理の可否を慎重に検討中だ。
真相究明委員会のチョ・ヒョンオク委員長は、投票用紙の真正性を担保する観点から、原則である印刷での管理を徹底し、通し番号がない投票用紙の配布は最小限に抑える必要があると強調した。
【編集長の韓察眼】
今回の混乱は、単なる現場の手違いにとどまらず、通し番号無記載の投票用紙という「例外規定」の曖昧さや法制度の不備が招いた構造的問題である。恣意的な運用や集計不備の放置は、民主主義の根幹である選挙の正当性を揺るがしかねない。今後は捜査による実態解明にとどまらず、手書き運用の全廃を含む公職選挙法の改正や、選管に対する中立的な監察機能の整備が進むかに注視したい。


