「1カ月働いて生涯受給」韓国国民年金で物議 中国人の「追納抜け道」利用に批判噴出

【韓察日報】韓国の国民年金制度において、国内の事業所でわずか1カ月間だけ加入して働いた外国人が、過去の未納・適用除外期間分の保険料を一括で追納し、生涯にわたって老齢年金を受給するケースが相次ぎ問題となっている。MBNなどの報道によると、制度本来の趣旨から逸脱しているとの指摘が相次いでおり、基金の過度な流出や不正支給への懸念から受給基準の早急な見直しを求める声が高まっている。

■1カ月の加入から一括追納で受給権を獲得する実態
 国民年金公団によると、訪問就労(H-2)ビザで入国した中国人のA氏は、事業所で1カ月間だけ年金に加入した後、過去の適用除外期間など119カ月分の追納保険料を一括納付し、受給資格期間(120カ月)を満たして老齢年金の受給を開始した。

 また、建設業の日雇い労働者として1カ月加入した中国人のB氏は、一度返還一時金を受け取って出国したものの、再入国後に再び1カ月加入および任意継続加入を行い、既存の受給金を返納した上で119カ月分を追納した。計121カ月の加入期間を確保して年金を受給している。さらに、永住資格(F-5)を持つ中国人のC氏は、9カ月間加入した後に128カ月分を追納し、現在は中国に居住しながら早期老齢年金を受け取っている。

 韓国SBSは、こうした事例について、特に韓国系中国人を中心に短期加入後、10年未満の期間に関して制限なく追納を申請し受給要件を満たすケースが増加していると報じている。返還一時金ではなく将来の年金受給を選択し、多額の保険料を一括で納付する動きが目立つ。

■制度趣旨との乖離と法的矛盾
 追納は本来、失業や事業中断による納付例外期間、または結婚・出産などでキャリアが中断された専業主婦や零細労働者の年金受給権を保護する目的で1999年に導入された。2016年11月からは無所得の配偶者などの適用除外期間についても最大119カ月までの追納が認められている。

 しかし、外国人がこの制度を利用することに対しては、制度本来の保護目的から大きく外れているとの批判が強い。さらに、国民年金法第126条では外国人が任意加入者になることを認めていないにもかかわらず、無所得配偶者であった適用除外期間の追納を認めている現行の運用は、法理論上の矛盾を抱えているとの指摘もある。

■現地検証の限界と基金流出への懸念
 実務上の不備も大きな課題だ。外国人の場合、加入対象の可否や配偶者の加入履歴、在留資格などを公的文書で精密に確認することが難しい。家族関係や婚姻証明書は国によって様式が異なるため、偽造の可能性を窓口で完全に見破ることは極めて困難な上、追納対象期間の算定ミスが発生するリスクも高い。

 加えて、海外に居住する受給者の死亡確認が適時に行われず、老齢年金の不正支給や遺族年金の管理不備につながる危険性も常につきまとう。返納や追納制度の「抜け道」を利用して年金受給要件を満たす外国人が増加する中、基金の過度な流出を防いで管理の限界を解消するためにも、外国人に対する追納および受給基準の早期見直しが不可欠となっている。

【編集長の韓察眼】
本件は国民年金の追納制度が、設計上の隙を突いて利用される構造的課題を浮き彫りにした。書類の検証や海外居住者の管理といった実務上の不備は、基金流出のリスクに直結している。今後は任意加入に関する法的不備を是正し、滞在実態に即した受給要件の厳格化と迅速な見直しが焦点となろう。

出典: MBN / 韓国SBS

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