- 李大統領の公判中断は適法とソウル高裁が表明、国会で激しい論戦
- 明確な規定欠く審理延期に抜け道批判、結婚式での抗議など世論も過熱
- 大統領の不訴追特権の境界と、政権に左右されない法運用の確立が焦点
【韓察日報】李在明(イ・ジェミョン)大統領の刑事事件に関する公判が中断されている措置について、ソウル高等裁判所のキム・デウン院長が「憲法条項に基づく判断であり、違法ではない」との見解を示した。韓国SBSなどの報道によると、16日に実施された国会法制司法委員会による国政監査において、野党「国民の力」と与党「共に民主党」の間で裁判中断の妥当性をめぐる激しい論戦が交わされた。一方、司法判断をめぐる対立は法廷外の世論にも飛び火しており、李大統領に裁判の継続を要求する異例の抗議運動が物議を醸すなど、社会的な波紋が広がっている。
■「抜け道」批判の野党と「制度活用」を主張する高裁
国政監査では、野党「国民の力」のキム・テギュ議員が「裁判所による職務怠慢、あるいは訴訟指揮権の濫用と見なせるのではないか」と追及した。これに対しキム院長は、「大統領は内乱または外患の罪を除き在職中に刑事訴追を受けない」と定めた憲法第84条を挙げ、「私の知る限り、憲法第84条に基づき裁判を中断している状態だと認識している」と答えた。
キム・テギュ議員は、現行の法制度に「裁判中断」の明確な規定が存在しない点を問題視した。「公職選挙法違反に関する破棄差し戻し審などが中断されているが、憲法第84条は中断を宣言する法的根拠にならない。そのため、抜け道として期日を追って指定する方式を取っている」と批判の声を強めた。
これに対し、与党「共に民主党」のキム・ハンギュ議員は「合議体が中断を宣言せず期日を追って指定する方式を採用したことは違法なのか」と反論し、裁判中断制度の新設の必要性を質した。キム院長は「犯罪が成立するものではないと判断している。現行制度下にある方式を活用したものだ」と述べ、適法な訴訟指揮であるとの立場を強調した。さらに、裁判再開の意思を問う質問に対しては、「裁判には裁判所長が関与することはできず、現に関与もしていない。各合議体が決定した内容を尊重すべきであり、それぞれの合議体が判断すべき事項だ」と答えるにとどめた。
李大統領の就任以降、公職選挙法違反の破棄差し戻し審をはじめ、大庄洞開発疑惑事件、サンバンウルグループの対北送金疑惑など、起訴された5件の刑事事件を担当する各合議体は、憲法第84条を根拠に公判期日を事実上無期限延期し、「期日を追って指定する方式」を採用している。
■「内乱は李在明、裁判を受けろ!」 異色の結婚式が話題
司法の場における議論が膠着する中、TV朝鮮は、李大統領の裁判延期に対する反発が市井の場でも過熱している実態を報じている。
同メディアによると、今月9日に京畿道富川市の式場で開かれた結婚式の様子を収めた映像が「世界に一つだけの結婚式」と題してインターネット上に拡散され、物議を醸している。映像では、新郎がマイクを握って「内乱は李在明、裁判を受けろ!」と気勢を上げ、ブーケを手にした新婦や参列者らがスローガンを唱和し、太鼓を打ち鳴らす様子が確認された。
新郎新婦の退場時にも、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の復権を願う「ユン・アゲイン」との掛け声が連呼され、会場には「ユン・アゲイン」と印字された赤いタオルや「裁判を受けろ」と記された大型横断幕が掲げられた。新郎は尹前大統領を支持する青年団体の代表を務めており、新婦とは保守系集会を通じて出会ったという。
この極めて政治色の濃い挙式に対し、インターネット上では「愛国者カップルの門出を祝う」「個人の表現の自由の範囲内だ」と支持する意見がある。しかし、「神聖な結婚式なのか政治集会なのか区別がつかない」「人生の晴れ舞台で政治家が主役になる姿には違和感を覚える」といった冷ややかな批判もあり、世論の分断を浮き彫りにしている。
【編集長の韓察眼】
キム院長の憲法重視の立場は尊重されるべきだが、等しく尹前大統領にも適用されるべきとの声が結婚式で噴出した格好だ。大統領の不訴追特権そのものが曖昧なのか、あるいは5つの刑事裁判を抱える被告人が選ばれたことで運用が曖昧化しているのか。政権の支持率に左右されない法運用の確立が焦点となる。

