- 韓国地方選で選管30カ所の投票者数虚偽入力が発覚し、特検が強制捜査。
- 巨額の入札不正に加え、裁判所が選管トップの捜索令状を却下し対立激化。
- 特検による令状再請求の行方と、司法高官が絡む選挙管理の刷新が焦点。
【韓察日報】6月3日に投開票が行われた韓国統一地方選挙で、全国各地の選挙管理委員会が投票者数を虚偽に入力していた疑惑が浮上し、特別検察チームによる強制捜査が本格化している。検察・警察合同捜査本部から事案を引き継いだ選管特検チームは、虚偽入力の疑いがある地方選管が当初把握されていた5カ所から30カ所へと大幅に拡大した状況を確認し、中央選挙管理委員会を含む全国の選管施設などに対して一斉家宅捜索に乗り出した。TV朝鮮などの報道によると、特検チームは投票データの事後的な改ざん疑惑に加え、選挙用品をめぐる巨額の入札不正や業者との癒着構造、さらには元・現職の上級裁判官に対する疑惑追及も視野に入れ、全方位的な捜査を展開している。
【まとめ】なぜ投票用紙は不足し、データは改ざんされたのか? 韓国選管「12の疑惑」と特検捜査の行方
■5カ所から30カ所へ急増…全国規模で確認された「投票者数改ざん」手口
先月7日の発足式で「特検チーム独自の判断に基づき、積極的に新たな捜査を開始する」と表明したイ・テハン特別検事率いる捜査チームは、1カ月余りの集中調査を経て疑惑の全容を暴きつつある。当初、検察・警察合同捜査本部が把握していた虚偽入力の対象は市・郡・区の選管5カ所にとどまっていたが、特検チームの追加調査によってソウル3カ所、京畿道8カ所、忠清南道3カ所、光州・全羅南道4カ所など計30カ所に上ることが判明した。事実上、全国規模で統計の不正操作が行われていた格好だ。
特検チームの説明によると、特定の時間帯に誤って入力された投票者数が実際の確定投票者数を上回る事態が生じた際、選管側はその後の投票者数を任意に修正して帳尻を合わせる一方、過大入力された誤った数値を放置していた。こうした不正なデータ処理の実態を解明するため、特検チームは中央選管など7カ所に対して電撃的な家宅捜索を実施した。
■50億ウォン規模の入札不正と業者癒着…大統領選・地方選にまたがる疑惑
疑惑は統計データの虚偽入力にとどまらない。特検チームは地域選管が特定業者と癒着し、選挙用品の保管契約を結んでいた状況をつかみ、釜山など市・道選挙管理委員会10カ所への家宅捜索も敢行した。
さらに捜査の進展をめぐり、韓国SBSは、特検チームが独自に50億ウォン規模の入札不正疑惑を追加で把握したと報じている。特検チームは14日、業務上背任および入札妨害の容疑で中央選管や京畿道金浦市、大邱の選挙用品業者など計5カ所を家宅捜索した。特検チームは、昨年の第21代大統領選挙と今年の統一地方選挙において、投票所用品セットの製作事業をめぐり選管幹部が特定業者に特別な便宜を図っていた構図を追及している。今回の家宅捜索にはデジタルフォレンジック捜査官を含む約30人が投入され、随意契約の経緯や談合、癒着の有無について徹底的な分析が進められている。
■裁判所による令状却下に特検は反発…大法官らへの捜査再請求へ
一方、捜査の手は選管の最高幹部層にも向けられている。MBNが伝えたところによると、特検チームは今月12日、地方選挙での投票用紙の不足問題や、大法官(最高裁判事)ら元・現職の上級裁判官が務める中央選管委員長および非常勤委員への「公明選挙推進活動費」不当支給疑惑をめぐり、家宅捜索令状を請求した。しかしソウル中央地裁は14日、「事実関係がすでに把握されており、選管の業務に支障をきたす恐れがある」として令状を却下した。
特検チームは、監査院の監査資料と既存の捜査結果を総合し、犯罪容疑を具体的に疎明した上で令状を請求した経緯を強調した。裁判所による却下理由を「極めて不合理な判断」と批判し、真相究明に向けて令状の再請求を行うなど、司法界の抵抗に対しても揺るぎない姿勢で捜査を完遂する方針を明かした。
【編集長の韓察眼】
独立性を盾とした選管の閉鎖的風土と、司法高官がトップを兼ねる慣行が不正を招いた要因と言える。選管職員の9割が自ら投票事務の他省庁移管を求める中、最高裁関係者への捜査を裁判所が令状却下で阻んだ形となり、現地世論の反発は必至の情勢だ。特検による令状再請求の行方と民主主義の根幹をなす選挙管理の刷新が今後の焦点となる。

