【韓察日報】大韓サッカー協会を巡る国会公聴会が開かれたが、責任者の反省なき姿勢と議員側の見当違いな質疑が重なり、「中身がない」と酷評を浴びている。韓国SBSなどの報道によると、公聴会に出席したチョン・モンギュ前会長とホン・ミョンボ前監督は自身を取り巻く疑惑の多くを否定したものの、質疑応答では本質から外れた発言が相次ぎ、公聴会そのもののレベルを疑問視する声が上がった。
■疑惑を全面否定する協会幹部
7月30日、公聴会に出席したチョン前会長とホン前監督は、北中米ワールドカップでの不振について国民に頭を下げた。しかし、与野党の委員から協会の行政混乱を激しく追及されると、チョン前会長は「ベスト16以上に進出していれば公聴会は開かれなかった」と発言し、事態の本質を理解していないとして批判を浴びた。
また、不公正な手続きによる選任疑惑、いわゆる「パン屋面接」を巡り、ホン前監督は特別待遇の存在を明確に否定した。さらに、一部メディアによる「ソン・フンミン嘲笑事件」以降の取材拒否を巡る選手団との確執や、南アフリカ戦でソン・フンミン、イ・ジェソンの両選手を報復として先発から外したという噂についても「戦術的な判断だった」と主張し、不正疑惑を一蹴した。
■本質を外れた「暴走質疑」と政治的衝突
公聴会では、議員側の質疑のあり方にも厳しい目が向けられた。共に民主党のチェ・ミンヒ議員は、キム・ジンギュ(金珍圭)コーチに対し「なぜ負けたのか」「なぜあんなに情けない試合をしたのか」と追及した。キムコーチが「イ・ジェソンとソン・フンミンが出場しなかったからといって負けたとは思わない」と答えると、チェ議員は「あのような態度のせいで、優秀な選手を擁しながらこの有様になっている」と主張した。
さらに、国民の力のキム・ソッキ議員が人事問題を指摘する中で「イ・ジェミョン大統領は身内びいきの人事が多い」と政治的な発言を持ち出したことで、与野党間で激しい衝突が発生した。選任プロセスのキーパーソンであるイ・イムセン前技術総括理事が欠席した上、2年前の国政監査と同じ内容が繰り返されるなど、公聴会は実効性を欠く展開に終始した。
■サッカー界やファンから落胆と批判の声
今回の公聴会に対しては、サッカー界からも厳しい意見が相次いでいる。韓国経済新聞は8月2日、元代表のイ・チョンス氏が自身のYouTubeチャンネルで「過去の過ちを繰り返し問うだけにとどまり、形式的な公聴会に終わった」と語ったと報じている。イ氏は「なぜ負けたのかという質問には戸惑った。勝負の世界に対する理解が全くない」と呆れ顔を見せ、わざとパフォーマンスを落として負ける者などいないと切捨てた。
ネット上のサッカーコミュニティでも「質問のレベルが低すぎる」との指摘が殺到した。問題の解明にも今後の改善策提示にも至らなかった今回の公聴会は、サッカーファンや国民に大きな落胆を残した。
【編集長の韓察眼】
サッカー協会の不透明な行政を質すべき公聴会が、議員のパフォーマンスや政争の場に化した構図は深刻だ。スポーツ行政の構造的欠陥を検証すべき局面で精神論や政治的論述が横行しては、抜本的な改善は望めない。問題の根底には協会幹部の無責任体質に加え、国会側の専門性欠如とポピュリズムが存在する。今後は感情論を排し、ガバナンス不全を正す具体的制度や監督機能の再構築に議論が深まるかが焦点となる。


