【韓察日報】投票用紙不足、開票強行、電算システム検証、不正採用など計12項目の疑惑を対象として最大165人規模で最長170日間にわたる特別検察官(特検)の捜査が本格化している。そうした中、国会では与党「共に民主党」が特検の派遣検事から捜査権を剥奪する法案を発議したものの、野党の猛反発を受けてわずか2日で撤回する事態が発生した。韓国KBSなどの報道によると、民主党は140件の関連法案を一括修正する調整作業で生じた手違いによるものと説明し、派遣検事の捜査権を認める形で再発議する方針だ。一方、現場ではデモ隊による開票所封鎖から95日ぶりに警察と特検チームが進入し、投票箱の保全措置とアジア大会関連物資の緊急搬出を実施した。
■「派遣検事の捜査権剥奪」法案と与野党の攻防
共に民主党のキム・ヨンミン議員ら国会法制司法委員会所属の議員10人は8日、選管委特検法の一部改正法案を発議した。特検発足の翌日に提出されたこの改正案は、派遣検事が直接捜査を行えるとした既存の附則第5条第1項および第2項を全面的に削除する内容だ。公訴庁発足に伴う検察捜査権廃止の原則を適用した形だが、実質的に特検の捜査機能を削ぐ内容であった。
これに対し、野党「国民の力」のチョン・ジョムシク(鄭点植)院内代表(国会対策委員長に相当)は「特検発足からわずか1日で派遣検事の捜査権を廃止するのは特検を形骸化させる陰謀であり、与野党合意を無力化する詐欺的行為だ」と強く批判した。野党の猛反発と批判が広がる中、民主党は10日、発議した改正案を撤回し、派遣検事が特検期間中に捜査を行えるよう法案を再発議すると発表した。民主党は「与野党の合意趣旨とは異なる形で発議されてしまった」と説明している。
■封鎖95日目の現場進入と特検の保全措置
国会で政治的対立が深まる一方、韓国SBSは開票所現場での本格捜査に向けた動きを詳しく報じている。ソウル・オリンピック公園のハンドボール競技場では8日午前9時、開票所を封鎖するデモ隊に対し警察機動隊28隊(約1,800人)が投入された。
混乱防止のため、中央選挙管理委員会の職員とイ・テハン特別検察チームが優先的に立ち入り、保管中の投票用紙や投票箱に対する必要な安全措置を完了した。続いて入場した9つの体育団体職員らは、来週開幕するアジア大会に必要な外国人選手の分析映像やトレーニング用具、給与支給に必要な印鑑など、1トントラック6台分の物資を約1時間で搬出した。大韓体育会のキム・デニョン事務総長は「選手団の運営に支障がないよう努力する」と述べた。
現場での封鎖デモ自体は現在も続いており、今年6月の封鎖現場で警察官に暴言や唾を吐いた40代女性に対し、検察が懲役2年を求刑したこともSBSは報じている。選管委特検を巡っては、現場での保全手続き完了に伴い捜査が本格化する一方、国会での法案再提出に向け与野党の攻防が続く見通しだ。
【編集長の韓察眼】
特検発足翌日に与党が発議した「派遣検事捜査権剥奪」法案は、与野党間の対立を一段と深めている。選管が独立性を盾に外部検証を排除してきた閉鎖的な慣行に対し、立法府が実効的な監視を怠ってきた罪は重い。過熱する政争が特検捜査に及ぼす影響と、与野党による法案再考の行方に注視したい。

