【韓察日報】西部戦線の非武装地帯(DMZ)で北朝鮮の地雷と見られる爆発事故が発生し、韓国軍の中間調査で北朝鮮の関与が濃厚となる中、軍が北朝鮮による軍事境界線(MDL)侵入と地雷埋設を事前に把握しながら適切な処置をとっていなかった疑いが浮上している。TV朝鮮などの報道によると、北朝鮮軍がMDLを越えて地雷を埋設した地域は判明しているだけで6カ所に上るが、当時の担当師団長は積極的な捜索を行わず、後手対応に終始していたとされる。
■北朝鮮軍の侵入と爆発事故の中間調査結果
北朝鮮軍は2024年4月以降、DMZ一帯で鉄条網や地雷地帯の設置といった「国境化作業」を推進してきた。この過程で軍事境界線の南側数十メートルまで侵入して地雷を敷設する動きが捕捉され、西部戦線を管轄する第25師団の担当区域内だけでも6カ所で軍事境界線侵犯が確認された。
野党「国民の力」のユ・ヨンウォン議員は「北朝鮮軍が造成した地雷地帯など、実に6カ所で軍事境界線を10~15メートルほど越えてわが国の主権を侵害していることを確認した」と明かした。
一方、韓国SBSは、軍が28日に発表した中間調査結果として、爆発地点がMDLの南側約10メートル地点であり、最近北朝鮮軍が地雷を埋設したと推定される地域から約10メートル離れた場所で計2発が爆発したと報じている。国立科学捜査研究院の分析では木箱地雷からTNT成分が検出されたほか、現場付近で1969年から北朝鮮軍が運用するプラスチック(樹脂)製の対歩兵対人地雷が発見され、北朝鮮軍の地雷である可能性が高い状況だ。軍は最終的に北朝鮮軍による埋設と判断された場合、相応の措置を講じ、すべての責任が北朝鮮にあることを明確にする方針だ。
■「地形の変化」と軍の対応不備 前師団長への批判強まる
問題視されているのは、軍当局による初期対応の怠慢だ。統合参謀本部は昨年下半期から現場周辺の観測を行い、MDL越境に対しては作戦手順通りに対応したと説明している。しかし、地雷埋設の疑いがある現場を実際に確認する捜索作戦は適時に講じられなかった。
当時、第25師団長を務めていたハン・ギソン氏(現第1軍団長)は現場の異常事態を把握しながらも具体的な対応を行わず、今年1月に後任の師団長が着任してようやく本格的な捜索が開始された。さらにハン軍団長は先月3日、「実弾未装填の警戒作戦」をめぐる論争により職務から外された。
野党「国民の力」のソン・イルジョン議員は「『地形の変化』という政治的な言葉を使って国民を混乱させ、軍の対応を無力化した政権に忖度する軍幹部たちに必ず責任を問わなければならない」と指摘し、事案の重大性を不当に薄めた軍幹部らの対応を強く批判している。
【編集長の韓察眼】
北朝鮮によるDMZでの国境化作業加速と境界線侵犯は、南北対立の先鋭化と安保警戒の弛緩が交錯する根深い要因を示す。過去の木箱地雷挑発同様、現場の異変を知りつつ政権忖度で処置を先送りした姿勢は、指揮系統が抱える過度な事無主義を浮き彫りにした。真相究明に向けた調査の行方とともに、前線部隊の作戦手順の見直しと幹部の責任追及、並びに「相応の措置」を注視したい。

