【韓察日報】韓国最大手のポータルサイト「NAVER(ネイバー)」に投稿された1億件以上のニュースコメントを人工知能(AI)で分析した結果、海外と連携して世論操作を行っている疑いのあるアカウントが約2万4000件存在することが判明した。韓国SBSなどの報道によると、韓国科学技術院(KAIST)とドイツのマックス・プランク研究所による国際共同研究チームが、過去約20年間のデータを全数調査し、社会的対立を助長する組織的なオンライン工作の実態を突き止めた。
■「説明可能なAI」で不審アカウント2万4000件を特定
KAIST文化技術大学院のイ・ウォンジェ教授、計算機科学部のチャ・ミヨン、オ・ヘヨン教授、ドイツ・マックス・プランク研究所のトルステン・ホルツ教授らによる研究チームは、コメントの内容や投稿パターンから世論工作を自動検知し、その判断根拠まで示す「説明可能なAI技術」を開発した。
研究チームは、国家安保戦略研究院が特定した外国連携アカウント70件を出発点とし、2006年4月から2025年3月までに投稿されたNAVERニュースのコメント1億1265万8554件と利用者404万7831人分のデータを追跡・分析した。不自然な韓国語表現や、特定の国・人物に対する無批判な称賛・非難など、非母語話者特有のパターンをAIが検知した。
その結果、既存の確認済みアカウントと同一または類似の行動パターンを示した2万3998件の不審なアカウントを特定した。イ・ウォンジェ教授は「同じ時期に同じ数のコメントを投稿したか、内容をコピー&ペーストしたかなど、非常に厳格な24の基準を適用した」と語る。ただしNEWSISは、特定されたアカウントが実際に外国政府や機関によって直接運営されていることまでを断定するものではないと研究チームが補足している旨を報じている。
■保革陣営問わず非難を連発…選挙期間中は活動量51%増
分析によると、疑わしいアカウントが投稿したコメントは、特定の政治勢力を一貫して支持するよりも、韓国国内の対立や社会的分断を煽る「非難」が主流であった。攻撃対象の上位10件のうち7件は大統領や主要政党の指導者などの要人で、進歩派・保守派の両陣営に及んでいた。
さらに、不審なコメントの中でも韓国を非難する内容の平均「いいね」率は0.514に達し、唯一「低評価」を上回る反応を得ていたことがNEWSISの報道で明らかになった。
また、大統領選挙や国会議員選挙、地方選挙といった政治的対立が鋭化する時期には工作活動が活発化することも確認された。選挙期間中に新しく活動を開始した疑わしいアカウントは週平均34.19件に上り、非選挙期間の22.61件に比べて約51%高かった。イ教授は「全国選挙や地方選挙の時期に一貫したピークの発生が観察できた」と指摘する。
■国際学会で成果発表へ…世論工作検知の管理ツールに期待
KAISTのキム・ジェホン氏(博士課程)とキム・ヒョンスン氏(修士課程)が共同筆頭著者を務めた本研究成果は、セキュリティ分野の世界的権威である国際学術会議「USENIX Security Symposium 2026」で発表される予定だ。
研究チームのオ・ヘヨン教授は、「AIがコメントの表面的な意味を超え、対立を誘発する感情やアカウントの組織的な行動パターンまで分析した。ますます巧妙化するオンライン上の影響力行使活動を検知するのに活用されるだろう」と述べた。今回の技術は、社会的対立が高まる時期に優先して警戒すべきメッセージを選別する実用的な管理ツールとして機能する見込みだ。
【編集長の韓察眼】
本件で注視すべきは、海外からの情報工作が特定の政治勢力擁護ではなく「社会の分断・対立そのものの増幅」へと変質している点だ。従来の介入が陣営固めを狙ったのに対し、現在は保革問わず攻撃し国内の不信感を泥沼化させる構造が顕著である。AI検知技術の導入を進めつつ、ポータル事業者の管理体制強化と健全な世論形成基盤の防衛が今後の焦点となろう。

