【韓察日報】円相場が1ドル=163円と約40年ぶりの安値水準まで下落する一方、ウォンは反発を見せ、ウォン・円為替レートが890ウォン台前半まで下落している。韓国KBSなどの報道によると、これは従来の日本と韓国における為替レートの連動傾向からの脱却を意味しており、その背景にはSKハイニックスのナスダックADR上場に伴う約40兆ウォン規模の米ドル流入が存在する。中東情勢の緊迫化が続くなかでもウォン・ドルレートは1,473.4ウォンまで下落しており、企業が稼いだ外貨がドル高の流れを食い止める防波堤として機能している。
■大規模外貨流入とグローバルAI市場での躍進
SKハイニックスのADR上場によって生じた外貨資金が順次両替されて韓国国内の外国為替市場に供給されたことで、ウォン相場の安定に大きく寄与した。あわせて、グローバル市場における韓国企業の市場での存在感の拡大も好影響を与えている。李在明大統領がサンフランシスコAIサミットで「サンフランシスコAI宣言」を発表した場には、NVIDIA(エヌビディア)のジェンセン・フアン最高経営責任者(CEO)ら世界のAIリーダーが参加した。サムスン電子やSKグループ、現代自動車グループなどは、それぞれ世界市場でのシェアおよび販売台数において主導的な地位を維持している。
■記録的な企業外貨預金と市場への影響
また、毎日経済新聞は、こうした企業活動の活発化が外貨預金の急増にも表れていると報じている。6月の居住者外貨預金は前月比10億8000万ドル増の1133億3000万ドルとなり、過去最高を記録した。特に企業のドル建て預金は25億9000万ドル増の855億8000万ドルに達し、過去最高水準を更新した。同紙は、大企業の輸出代金の流入および海外株式投資のための待機資金拡大が主な要因であると分析している。なお、ユーロや円建て預金、さらには個人預金が減少傾向を示した一方、国内銀行および外国銀行の国内支店双方で外貨預金が増加した。
■800ウォン台の円安と訪日観光ラッシュ
一方で、円安ウォン高の進行は韓日間の人的交流や消費動向にも大きな変化をもたらしている。MBNによると、ウォン・円為替レートが約1年8ヶ月ぶりに100円=890ウォン台まで下落したことを受け、夏休みを目前に控えた韓国人の間で日本旅行の需要が急増している。東京や大阪、札幌といった主要観光地は韓国人観光客で賑わいを見せており、今年上半期の訪日韓国人数は前年同期比で約20%増加した。同メディアは、下半期もこの上昇傾向が続くと見込んでいる。
こうした歴史的な円安の背景についてMBNは、日本の成長率回復の遅れに加え、高市政権による財政支出拡大政策が挙げられると指摘した。米国と日本の金利差は依然として大きいものの、日本銀行が追加利上げに慎重な姿勢を見せていることから、円安傾向は当面続く見込みだ。


