「世の中ひっくり返る」豪語も全員無罪 ソウル市長補選遠のき司法批判強める与党

📌 この記事の3行要約
  • 尹前大統領や呉市長ら、ブローカー疑惑裁判で証拠不十分により全員無罪に。
  • 市長補選を目論んでいた与党・民主党は猛反発し、司法批判を急速に強めている。
  • 31日に迫る金建希氏の保釈判断など、司法を巡る政界の攻防が今後の焦点だ。

【韓察日報】政界有力者との通話記録が60万件に上るとされ、政界を揺るがした政治ブローカーの明太均(ミョン・テギュン)氏のいわゆる「黄金の携帯電話」疑惑を巡る一連の裁判で、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領や呉世勲(オ・セフン)ソウル市長ら関係者全員に無罪判決が言い渡された。韓国KBSなどの報道によると、疑惑浮上から2年を経て検察および特別検察官による捜査が行われたものの、裁判所はミョン氏の供述の信用性を否定し、証拠不十分と判断した。判決の行方は最高裁へと持ち越される一方、有罪を見込んで来春の補欠選挙を想定していた与党「共に民主党」は「無罪自動販売機か」と司法批判を急速に強めており、波紋が広がっている。

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■供述の信用性を否定、相次ぐ無罪判決
 ミョン氏は過去に「自分が口を割れば世の中がひっくり返る」と豪語し、「黄金の携帯電話」を通じて尹前大統領をはじめとする多数の政界関係者と連絡を取り合っていたとされる。

 しかし、裁判所の判断は冷徹だった。無償の世論調査と引き換えに野党「国民の力」の金映宣(キム・ヨンソン)元議員の公認に介入した疑いが持たれていた尹前大統領と金建希(キム・ゴンヒ)夫人について、裁判所は金夫人に一審・二審ともに無罪、尹前大統領にも二審で無罪判決を下した。公認の対価としてミョン氏に金銭を渡したとされた金元議員も一審で無罪となっている。

 さらにソウル高等裁判所刑事7部(ク・フェグン裁判長)は23日、呉世勲ソウル市長に対しても控訴審で無罪を言い渡した。裁判長は「有罪の立証責任は検察側にあり、不当に処罰される者を出さないための判断」と説明し、起訴内容の大部分においてミョン氏の供述は信用できず、証拠が不十分であると結論づけた。特別検察官事件の判決期限を定めた法律に基づき、尹前大統領と呉市長の事件は来年1月頃に最高裁で結論が出る見込みだ。

■与党・共に民主党の猛反発と深まる波紋
 一方、呉市長の控訴審無罪判決に対して激しく反発しているのが与党「共に民主党」だ。

 チャンネルAの報道によると、民主党のキム・ミンソク代表は先月の時点で「ソウル市長選と江陵での補選は99.99%の確率で実施される」と述べるなど、直前まで呉市長の有罪判決の維持を確信していた。党内では姜勲植(カン・フンシク)元大統領秘書室長や鄭清来(チョン・チョンレ)元代表らの実名を候補者として手帳に書き留め、来年4月の補選に向けた準備を具体的に進めていたという。

 しかし無罪判決が下されると、キム代表は「法理的にも常識的にも理解しがたく、政治的な判決であってはならないのに非常に懸念される」と強い遺憾の意を表明し、最高裁での判決破棄を求めた。

 民主党のパク・ソンジュン首席報道官も「これが裁判所なのか、無罪が出る『無罪自動販売機』なのか」と厳しく批判した。同党強硬派の間では、今回の判決を機に曺喜大(チョ・ヒデ)最高裁長官の弾劾に向けた動きを活発化させる姿勢も見られる。

 ただ、チャンネルAは党内事情に詳しい首都圏選出議員の証言として、「国政全体の雰囲気が厳しい中、ソウル市長選が行われれば厳しい戦いになるとみていたため、むしろ幸いだった」という冷ややかな受け止めも紹介しており、司法判断を巡る波紋は政界全体に広がっている。

【編集長の韓察眼】
2024年12月の戒厳令直前まで本疑惑で尹政権に大攻勢を仕掛けた共に民主党に対し、司法が冷厳な判断を下した格好だ。同じく本件で尹氏を激しく攻撃し、党代表自ら造反を呼び掛けて弾劾可決を導いた韓東勲氏の受け止めが注目される。31日に迫る金建希氏の保釈可否判断を控え、司法を巡り緊張感が高まる攻防の行方を注視したい。

出典: 韓国KBS / チャンネルA


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