【韓察日報】非武装地帯(DMZ)で発生した地雷爆発事故を巡り、韓国政府や与党が慎重な真相究明と対話による解決を模索する一方、北朝鮮側は事故を「自作自演」と規定して激しく反発するなど、南北間の緊張が高まっている。チャンネルAなどの報道によると、チョン・ドンヨン(鄭東泳)統一相は1日、自身のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて「(事故が)韓半島(朝鮮半島)の平和に向けた我々の努力を貶めたり歪曲したりする口実になってはならない」と強調した。
■チョン統一相「平和への決意を再確認」 欧州訪問を切り上げ急遽帰国
チョン統一相は「何よりもまず、負傷した我が国の将兵とそのご家族に心からの慰めの言葉を伝える」とした上で、「徹底的な調査による真相究明とともに、最終的な調査結果に基づく措置が必要だ」と主張した。さらに「なぜこのような不幸な出来事が繰り返されるのか深く省察し、根本的な解決策を模索すべきだ」とし、「責任ある政治家であれば、何が問題の本質なのかを冷静に頭を突き合わせて解決策を見出さなければならない」と訴えた。
また、30年間にわたり数千人の犠牲者を出した北アイルランド紛争に終止符を打ったベルファスト合意に言及し、「過去の悲劇を今日の希望に変えた北アイルランドの地で、韓半島の長い戦争に終止符を打ち、恒久的な平和体制を構築するという決意を改めて固める」と表明した。「それこそが、私たちの前途ある若者たちがこれ以上犠牲になることなく、DMZを越えて大陸へと堂々と羽ばたいていける唯一の道であり、最も早い道だ」と付け加えた。チョン統一相は6泊8日の欧州歴訪日程のうち、アイルランドとドイツへの訪問をキャンセルし、1日に帰国した。
■与党・国防委員長「攻撃の意図は不明」 故意性の立証を前提に言及
一方、朝鮮日報によると、与党「共に民主党」所属のチン・ソンジュン(陳声準)国会国防委員長は30日のラジオインタビューで、「(北朝鮮の故意性の有無は)調査してみなければ分からない問題であり、現時点で断定するのは難しい」との見解を示した。
チン委員長は11年前の2015年に起きた「木箱地雷」爆発事件に触れ、「当時は北朝鮮軍がDMZを出入りしながら捜索を行う我が軍の将兵を狙い、ほぼ毎日出入りする門に地雷を仕掛けた」と指摘した。その上で「それと今回の地雷は状況が少し異なるのではないか」と述べ、防御用など他の可能性も排除できない姿勢を示した。前日にも「我が軍に危害を加える目的で埋設したと断定するのは少し難しい側面がある」と語っている。
ただし、チン委員長は「北朝鮮が軍事境界線(MDL)の南側地域に地雷を埋設した事実が確認されたのであれば、これは休戦協定違反であり軍事的な挑発だ」と指摘した。調査を進めて北朝鮮の故意性や標的性が立証された場合には、対北朝鮮対応の水準をさらに引き上げるべきだと言及した。チン委員長ら国防委員らは28日、京畿道漣川郡の陸軍第25師団「飛龍展望台」を訪れ、防護服や地雷用オーバーシューズなどの装備を点検している。
■北朝鮮・金与正氏「明白な自作自演」 実弾射撃に対する報復を警告
こうした韓国側の対応に対し、MBNの報道によると、北朝鮮労働党の金与正総務部長は29日、朝鮮中央通信を通じて「挑発の当事者たちは、自作自演の代償を覚悟すべきだ」と題する談話を発表した。
金氏は、爆発事故の原因が北朝鮮軍の地雷である可能性が高いとした韓国軍の発表を全面否定した。今回の事故を10年余り前の木箱地雷事件と類似した「明白な自作自演」と決めつけ、韓国軍が根拠のない調査結果を捏造して休戦協定違反を正当化しようとしていると批判した。
さらに、国境線一帯の要塞化作業は主権行使に過ぎず、韓国軍兵士が国境線を越えたことは一度もないと主張した。弾丸が一発でも北朝鮮領土に着弾した場合、即座かつ容赦ない報復を行うと警告し、対応指針はすでに下達されていると強調した。
【編集長の韓察眼】
南北対話の再開を狙う政権下において、北朝鮮への過度な刺激を避けて軍事摩擦の拡大を防ぎたい政治的配慮が窺える。2015年の木箱地雷事件とは異なり北の責任追及に慎重な態度は、対北警戒と平和模索の板挟みにある現実を物語る。過酷な軍事的衝突を避けつつ真相究明を進められるか、政権の危機管理の手腕が焦点となる。


