【韓察日報】15日に開催されるキム・スンウォン(金勝源)法務部長官候補の人事聴聞会を前に、キム氏が与党「共に民主党」の法制司法委員にのみ38ページに及ぶ「予想質疑応答(Q&A)」集を事前配布していたことが分かった。JTBCなどの報道によると、野党「国民の力」は「友好的な議員に向けた質問の指示だ」と強く批判しており、食品医薬品安全処への口利きや見返り人事などの各種疑惑を巡り、与野党が激しく対立している。
■与党限定の「解答用紙」 野党は「台本指示」と猛反発
キム氏が与党議員に事前に渡した「予想Q&A」集には、製薬会社ジェネンセル(Genencell)の新型コロナ新薬承認に関する口利き疑惑や、ブローカーとされるヤン氏との関係など、主要な論点に対する回答方針が網羅されていた。
野党「国民の力」に提出された公式答弁書とは異なり、与党議員にのみ反論の論点を盛り込んだ資料が提供されたことに対し、「国民の力」側は「言い訳ばかりの回答内容も問題だが、身内にのみ『解答用紙』を送ったのは台本に沿った質疑を指示したも同然だ」と反発を強めている。
■食品医薬品安全処への口利きと新薬の安全性を巡る対立
最大の争点となっているのは、2021年に当時の食品医薬品安全処長官に対し、ジェネンセルの新薬臨床試験計画の「迅速な処理」を要請した行為の適切性だ。
キム氏はQ&A集の中で、「中小企業の審査遅延という苦情を受け、公正かつ迅速な審査を求めたに過ぎず、専門的な審査責任は食品医薬品安全処にある」と主張している。また、被験者109人の有害事象は軽微な10件のみであり、「毒薬投与を助けたという主張は不当だ」と反論する姿勢を示している。
これに対し、韓国SBSは、臨床試験の過程で新型コロナ患者93名に当該新薬またはプラセボが投与されていた事実が判明したと報じている。食品医薬品安全処は重大な薬物有害事象の報告はないとしているものの、ジェネンセル側が承認過程で資料の省略や操作を行った疑惑が持たれており、人体への安全性論争はさらに拡大する見通しだ。
■「見返り人事」疑惑と証人不在の聴聞会
さらに、ジェネンセル創業者の逮捕状を却下したチョン判事の息子をキム氏が立法補佐員として採用した「見返り人事」疑惑や、ブローカーであるヤン氏との不透明な交友関係も追及の対象となっている。キム氏はヤン氏との関係について「知人ではあるが、国民に不快感を与えた点は重く受け止める」とし、令状却下判事との同席も「連絡不備による誤解」と説明した。
野党「国民の力」のチャン・ドンヒョク代表は、ヨン・ヘイン性平等家族部長官候補が直前に指名辞退したことを挙げ、「疑惑の詰め合わせを国民に贈るつもりか」とキム氏の指名撤回を迫った。一方、共に民主党のハン・ビョンド院内代表は「根拠のない虚偽の扇動だ」と擁護を崩していない。
しかし、共に民主党の反対により、今回の聴聞会には関連証人が一人も出廷しない方針だ。証人不在のまま、キム氏が一連の疑惑をどこまで解明できるかが注目される。
【編集長の韓察眼】
大統領の司法リスク回避を最優先とする法相人事が与野党の激しい対立を招いている。ヨン・ヘイン氏の指名辞退で注目が集まるキム氏の聴聞会は、「証人不在」を貫く与党が事前に配った想定問答集で野党の攻勢をいかに凌ぐかが焦点だ。政権浮揚を狙う一連の内閣改造が思惑通りの成果を結ぶか注視したい。


