お会計の時間 李在明政権に安保と経済の請求書を突きつける米トランプ政権

【韓察日報】ドナルド・トランプ米大統領がホルムズ海峡への派兵からウクライナへの兵器支援、半導体の追加投資に至るまで、韓国に対して前例のない全方位的な要求を突きつけている。YTNなどの報道によると、安全保障上の懸念と通商問題を組み合わせた「パッケージ・ディール」戦略により、韓国に対する費用請求や投資圧力が強まる中、韓国政府内では対応をめぐり慎重な姿勢が続いている。

■安保と通商を絡めるトランプ流の「パッケージ・ディール」
 トランプ政権は、ホルムズ海峡への派兵要請に加え、地対空誘導弾「天弓Ⅱ」のウクライナ支援、さらには最先端半導体分野での追加投資をひとまとめにした圧力を展開している。北朝鮮と軍事的に対峙し、在韓米軍への依存度が高い韓国の構造的な弱点を突き、安保上の空白を懸念させることで関税の引き上げや派兵を引き出すテコにしている格好だ。

 トランプ大統領は「金正恩から守るために3万9千人の軍隊を駐留させているのに、イランでの軍事作戦に協力しないのか」と不満を露わにし、メモリ半導体や造船インフラを持つ韓国を自国のサプライチェーン再編の中核ターゲットに据える意図を明かした。クリス・ライト米エネルギー長官も世界の貿易安全保障における他国の参加義務を主張している。既に数千億ドル規模の対米投資協議を進める韓国に対し、さらに追加負担を求めるトランプ流の取引外交は、同盟の信頼関係を背景に韓国側の実利を搾り取る構造として固定化するリスクを孕んでいる。

■大統領府は派兵決定を否定 慎重論と内部議論の差異
 米国の強硬な要求が波紋を広げる中、韓国大統領府は冷静な火消しに追われている。MBNは、大統領府のソン・ギホン広報・コミュニケーション首席がYouTubeチャンネルに出演し、「政府はまだ最終的な方針を定めておらず、慎重に判断している」と述べたと報じた。米国が11月を期限として派兵を要請したとされる報道については、実務段階の議論が外部へ漏れたことによる「先走りすぎた報道」であると指摘した。

 また、フランスを国賓訪問中の李在明(イ・ジェミョン)大統領がエマニュエル・マクロン仏大統領とホルムズ海峡の「航行の自由」について協議した点に関しても、ソン首席は「即座に派兵と同義と解釈すべきではない」と強調した。最終決定はNSC(国家安全保障会議)を通じて統一的な立場として取りまとめられる方針であるとし、一部で囁かれる対米通商交渉と派兵問題の関連性についても一線を画した。

 トランプ政権からの要求が通商・安保の両面で重圧となる一方、自律的な判断を強調する韓国政府がどのようにこの局面を突破するのか、今後の外交的判断が注目される。

【編集長の韓察眼】
米中間選挙を目前に控えるトランプ氏が李在明外交に最後通牒を突きつけた格好だ。派兵反対派を主要支持層に抱える李大統領は、国内世論の反発を警戒して厳しい選択を迫られている。与野党の政治的摩擦を抑えつつ、国益防衛と対米ディールの均衡をどう探るかに注視したい。

出典: YTN / MBN

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