【韓察日報】与党「共に民主党」のキム・ミンソク(金民錫)代表と野党「国民の力」のイ・ジンスク(李眞淑)議員の間で、過激な比喩と過去の不祥事を引き合いに出した激しい舌戦が繰り広げられている。チャンネルAなどの報道によると、キム代表がイ議員を「女チョン・ドゥファン(全斗煥)」と呼んで攻撃したことに対し、イ議員側は過去の政治的スキャンダルを引き出し「新千年NHKのキム・ミンソクさん」と呼んで応戦した。
■「女全斗煥」発言と名誉毀損をめぐる攻防
事態のきっかけは、キム代表による一連の批判発言だ。MBCは、キム代表が慶尚北道安東で開かれた党最高委員会にて、イ議員を「女チョン・ドゥファン」という呼称に統一するべきだと皮肉を込めて主張したと報じている。キム代表はこれに先立つ巡回予備選でも「女全斗煥も女ヒトラーも足場を築かせない」と発言していた。
これに対しイ議員は、「女ヒトラー」という発言についてのみ名誉毀損の疑いで警察に告訴した。キム代表はこの対応を捉え、「『女チョン・ドゥファン』については本人も名誉毀損とは思っていないようだ」と指摘し、内乱犯として判決を受けたチョン・ドゥファンと同様に歴史的に評価されるだろうと主張を重ねた。
■過去の酒宴スキャンダルを引き出し反撃
一方、イ議員側も黙ってはいない。イ議員はキム代表に対し「新千年NHKのキム・ミンソクさん」と反撃し、国民の力のメディア広報担当者もこれに同調した。
「新千年NHK」とは、金大中政権時代の2000年5月17日、「5・18光州民主化運動」記念式典前夜に光州市内の同名飲食店で民主党の政治家らが酒宴を行い物議を醸した事件を指す。野党側は、5・18精神を主張しながら過去に酒宴を繰り広げた当事者が今も政界で実力者として振る舞っていると批判を強めた。民主党関係者はこの反撃に対し、「別途対応はしない」と述べるにとどめた。
■与党は国会法改正を推進
今月26日、5・18民主化運動を貶めたとの批判を受けるイ・ジンスク議員に対し、韓国国会は与党主導で除名を求める決議案を可決した。民主党は5・18民主化運動を誹謗中傷・歪曲する討論会を開催し、会場を提供した議員に対し、最長1年間の職務停止を可能にする国会法改正を推進する方針だ。
【編集長の韓察眼】
過激な象徴表現で対立勢力の正当性を低下させる政治手法は、韓国政界に巣食う陣営対立の根深い慣習だ。論理的な政策課題よりも歴史的記憶や過去の不祥事の暴露合戦が攻撃手段として選ばれやすい。不毛な応酬が重要政策を後回しにする中、有権者がこの政治風土にどのような審判を下すかに注視したい。

