自営業者のコロナ債務6.3兆ウォン帳消しへ 相次ぐ「徳政令」に韓国紙警告

【韓察日報】韓国政府は、新型コロナウイルス禍の影響で打撃を受けた自営業者の長期延滞債務を大規模に減免する措置に乗り出す。TV朝鮮などの報道によると、政府は半導体好況に伴う税収増加分を活用し、3カ月以上延滞している個人事業主の融資6兆3000億ウォン規模を帳消しまたは減額する方針だ。具体的な支援条件や対象は第4四半期に確定する。コロナ禍において直接的な財政給付ではなく金融支援に頼ったため膨らんだ自営業者の返済負担を和らげ、再起を促す狙いである。

■急増する高齢自営業者の債務と雇用へのリスク
 韓国では全就業者に占める自営業者の割合が約20%と、1桁台にとどまる主要国よりも極めて高い。東亜日報によると、特に高齢自営業者の金融債務は10年前の4倍以上に急増しており、負債の罠に陥った自営業者の休業や廃業が若年層の雇用減少へ連動する懸念も指摘されている。

 また韓国日報は、政府がすでに7年以上延滞している113万人を対象に「新飛躍基金」を通じた再生策を決定したほか、高信用者が低信用者の金利負担を肩代わりする「金融包摂」(社会的弱者向け金融支援)を推進してきた経緯を報じている。返済不能な脆弱層の債務免除は、行政コストの削減や消費刺激効果といった側面も併せ持つ。

■相次ぐ巨額免除に対する批判と制度設計の課題
 しかし、5000万ウォン以下の長期延滞債務を免除する「バッドバンク」発足からわずか10カ月で再び大規模な救済に乗り出すことに対しては、批判の声も強い。漢陽大学経済金融学部のイ・ジョンファン教授は「モラルハザードを繰り返し引き起こし、なぜ借金を返済しなければならないのかという議論が絶えず噴出するのは避けられない」と懸念を表明した。

 政府は誠実に返済を続ける者に対して貸出金利を引き下げる方針を示すが、公平性をめぐる議論は収まっていない。東亜日報や韓国日報は社説で、返済能力を隠した不誠実な延滞を排除する厳格な審査システムの整備や、誠実な返済者への確実なインセンティブ設定を行わなければ信用取引の原則が揺らぐと警告している。

 ク・ユンチョル副総理兼財政経済部長官は「債務調整や再生手続きを通じて、個人や小規模事業者が迅速に再起できるよう支援していく」と表明したものの、モラルハザードの防止と経済再起の両立に向けた実効性のある基準づくりが問われている。

【編集長の韓察眼】
高比率の自営業層を金融支援で支え続けた歪みが、深刻な不良債務として顕在化した格好だ。過剰救済が信用秩序を揺るがした過去の事案を踏まえれば、相次ぐ減免措置がモラルハザードを助長する懸念は強い。不誠実な申請を排除する厳格な選別と、公平性を保つインセンティブ設計が実効性を高められるかに注視したい。

出典: TV朝鮮 / 韓国日報 / 東亜日報

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