【韓察日報】2024年4月10日に投開票が行われた第22回国会議員総選挙での電子操作疑惑を巡る国民監査請求の拒否・却下に加え、今年6月3日に投開票が行われた韓国統一地方選における投票用紙不足問題などの不手際が相次ぎ、中央選挙管理委員会(中央選管)の透明性と法的責任に対する懸念が急速に強まっている。文化日報などの報道によると、こうした不信感の拡大を受け、選管内部の職員からも投票事務の他省庁移管や期日前投票制度の改編を求める声が高まるなど、組織の管理体制および制度の根幹に関わる抜本的な見直しを迫られている。
■監査請求を連発却下、検証なしの数値修正に強い批判
文化日報によると、2024年の第22回総選挙当時、投票者数の減少または消失などを理由に監査請求を提出したものの、中央選管は不正選挙訴訟の進行を理由に調査を拒否した。翌年にも内部サーバーの操作疑惑に関する請求が提起されたが、全員一致で却下を決定した。特に、審査委員長をホ・チョルフン前事務総長が2度にわたり務めた点から、指揮部の無責任な姿勢への批判が出ている。さらに6・3地方選挙では、全国56の区・市・郡から出された72件の投票者数修正要請のうち59件が、適切な検証手続きを経ずに変更処理された事実も確認されている。
■松坡区選管職員を職務遺棄容疑で立件、重なる管理の不備
こうした不透明な処理への懸念が強まる一方、現場における具体的な管理上の失態も法的責任の追及を受ける事態に至っている。韓国経済新聞は、6・3地方選挙で投票用紙不足を予見できたにもかかわらず放置した疑いで、松坡(ソンパ)区選管の職員2人が立件されたと報じている。
法曹界によると28日、国民の参政権侵害の真相究明に向けた検察・警察合同捜査本部(本部長:ソウル中央地方検察庁のキム・テフン第3次長検事)は、職務遺棄の容疑で松坡区選管の選挙担当官A氏と選挙第1係長B氏を被疑者として呼び出し、取り調べを実施した。両氏は現場投票所からの追加用紙要請を無視するなど、即座の対応を怠った疑いが持たれている。また合同捜査本部は、松坡区傘下の異なる投票所から同一の通し番号が記載された投票用紙2枚が発見された事実も特定した。通し番号未記載の投票用紙に追加で機械や手書きで番号を記入する際、管理に致命的な問題が生じた格好だ。
■内部からも悲鳴、投票事務の「行政安全部移管」に9割賛成
選管を巡る不祥事や混乱が続くなか、組織の内部からも深刻な制度改革の要望が表面化している。選挙管理委員会の公務員労働組合が匿名で実施したアンケート調査(全国の現員3007人中1138人が参加)の結果によると、職員10人のうち9人が「投票事務を行政安全部に移管すべきだ」と回答した。
同調査では、期日前投票制の全面廃止に関しても41.4%が賛成と回答した。投票用紙不足事態の再発防止に加え、業務の全般的な見直しや不要な負担の調整を図るため、制度そのものの改編が不可欠であるとの見解が相次いで示されている。
【編集長の韓察眼】
一連の問題は単なる現場の失態にとどまらず、独立性を盾に外部監査を拒んできた選管の閉鎖的構造が引き起こした帰結といえる。特に選管職員の9割が事務移管を求める動きは、従来の自浄能力が限界に達した現状を象徴している。憲法機関としての独立性と行政的な透明性をいかに両立させるか。今後は政争化を避けつつ、期日前投票の見直しを含めた制度根幹の抜本的改革を進められるかが最大の焦点となる。


