【韓察日報】激しい乱高下を繰り返す韓国株式市場(KOSPI)に対し、海外メディアから「カジノ」との厳しい批判が相次ぐ中、過熱する投機取引とマクロ環境の急変によって市場の不安定さが増している。TV朝鮮などの報道によると、当局による緊急規制の施行や地政学的リスクの発生が重なり、相場の急激な変動に疲弊した個人投資家が急速に市場を離脱する事態となっている。
■英エコノミスト誌が警戒する「単一銘柄レバレッジ狂騒曲」
英国の経済週刊誌『エコノミスト』は最近の韓国株式市場について、「投資家にとってはまさに波乱万丈の道のりだった」と分析した。KOSPIが昨年初め以降にほぼ3倍近くまで急騰したかと思えば、今年6月以降は約25%下落するなど、極めて激しい乱高下を見せているためだ。
市場を牽引してきた主な原動力は人工知能(AI)ブームであり、サムスン電子やSKハイニックスといったメモリ半導体大手に国内外の資金が集まった。同誌は「驚くほど好調な業績を背景に投資意欲が高まるのは自然だ」と評価しつつも、株価上昇に賭ける手法が攻撃的すぎると警告した。今年に入り、レバレッジETFに投入された資金だけで約100億ドル(約14兆6000億ウォン)に達したと指摘する。
特にリスクが高い商品として、特定企業1社の株価に倍数で連動する「単一銘柄レバレッジETF」を挙げた。運用会社は定められた倍率を維持するため、上昇時には買い増し、下落時には売却する必要があり、一方に偏った相場動向をさらに増幅させる構造だからだ。同誌は韓国の個人投資家を「衝動的なギャンブラー」と例え、「金融当局が今さら後悔したところで、投資家をカジノの外へ引きずり出すのは容易ではない」と痛烈に批判した。
■10日連続の「サイドカー」発動と行政の緊急介入
こうした海外からの批判の一方で、韓国経済TVは国内市場で前代未聞の混乱が繰り広げられている実態を報じている。有価証券市場とコスダック市場では、10営業日連続で売買プログラムの効力を一時停止する「サイドカー」が発動される異常事態となった。売りと買いのサイドカーが交互に発動し、株価は日ごとに乱高下を繰り返している。
1週間で7回ものサイドカーが発動される事態を受け、波紋が広がる中、李在明大統領は今月21日の国務会議で「迅速かつ果敢な対応措置を講じよ」と指示した。これを受け金融委員会は、当初来月5日に予定していた基本預託金の引き上げ(3000万ウォン)措置を、今月31日に前倒しして施行する方針だ。
■グーグル投資拡大の好材料を一蹴した「中東リスク」
市況を左右する外部環境も急速に悪化している。韓国経済TVの報道によると、グーグルの親会社である米アルファベットが第2四半期決算でAI設備投資の拡大を発表したことを受け、半導体市況のピークアウト懸念が和らぎ、一時は株価が反発する動きも見られた。
しかし、ドナルド・トランプ米大統領がイランに対する大規模攻撃を示唆し、紅海でサウジアラビアのタンカーがフーシ派反政府勢力の攻撃を受けたことで情勢が一変した。指標となるブレント原油先物が2カ月ぶりに100ドル台を突破し、米国の政策金利引き上げ懸念が再燃した結果、KOSPIは先月末の最終取引日である24日に5.72%の急落を記録し、上昇分をすべて吐き出す格好となった。
■疲弊する個人投資家と「35兆ウォン」の資金流出
目まぐるしい「賭博場」のような相場展開と、当局の手探りの対応に対し、個人投資家は市場を見限り始めている。金融投資協会および韓国預託決済院の集計によると、今月23日時点の顧客預託金は104兆2975億ウォンにとどまった。先月4日に記録した過去最高値(139兆6948億ウォン)に比べ、実に約35兆ウォンが流出し、5カ月ぶりの最低水準まで落ち込んでいる。
過熱する投機商品への規制強化と外部マクロショックが重なる中、冷却化した投資家心理をどのように繋ぎ止めるかが市場の大きな課題となっている。


