韓国サッカー協会元審判トップ、審判員らに「小遣い」要求か 肉声公開で国会騒然

📌 この記事の3行要約
  • 元審判トップによる審判員への露骨な金銭要求録音が国政監査で暴露された。
  • 当人は監査を逃亡し協会も調査を放棄。自浄能力を欠く隠蔽体質が浮き彫りに。
  • 真相究明なきまま12月の新会長選へ。実質的な組織刷新は果たして可能なのか。

【韓察日報】大韓サッカー協会における審判行政の不備や混乱が続くなか、元審判委員長による審判員や評価官への金銭要求疑惑が新たに浮上した。21日に開かれた国会文化体育観光委員会の国政監査では、元委員長による露骨な金銭要求を記録した音声ファイルが公開され、協会のずさんな管理体制とガバナンス不全に対して厳しい追及が相次いだ。韓国KBSなどの報道によると、激しい刷新要求に直面する協会側は次期会長選挙を12月中旬に実施する方針を打ち出したが、組織の根底を揺るがす不正疑惑の全容解明を求める声は一層高まっている。

【関連記事】大韓サッカー協会の「性接待」試合は7戦無敗、組織的な隠蔽工作も明るみに

■「実弾を支援しろ」 国政監査で暴かれた生々しい要求音声
 21日の国政監査において、与党「共に民主党」のチョ・ゲウォン議員は、ムン・ジンヒ元大韓サッカー協会審判委員長が在任中、審判や審判評価官に対して金銭を要求していたとする情報提供と録音記録を公開した。

 公開された録音記録には、ムン前委員長が「実弾を一度支援してほしいと電話した」「小遣いを少し送ってくれ、振込先(口座番号)を教えるよ」などと述べ、活動資金(実弾)の提供や指定口座への送金を要求する生々しい発言が残されていた。チョ議員はこれに対し、「単に金銭の授受の問題ではない。(試合の)割り当て数や審判の昇格・降格に関連して金銭のやり取りがあったとすれば、金品授受の不正を超え、審判運営体制全体の信頼を損なう重大な事案だ」と強く批判した。

 ムン前委員長はこの日、国政監査の証人喚問が決まっていたものの、事前に連絡先を変更したうえ、欠席理由書すら提出せずに姿をくらまし、意図的に追及から逃れたとして国会側から激しい非難を浴びた。

■暴言から偽証疑惑まで…聴聞会で協会が見せた「放置」姿勢に国会激怒
 ムン前委員長を巡っては、以前から資質を疑問視する声が上がっていた。今年7月に開かれた国会文化体育観光委員会の聴聞会では、野党「祖国革新党」のキム・ジェウォン議員から不誠実な答弁態度を指摘されると「委員は発言して、私はするなということか」と反論した。さらに割って入ったチョ・ゲウォン議員に対しても「そこには口出ししないでください。朝っぱらから」と抗議するなど、傲慢な言動で物議を醸した。その後、批判を収拾できなくなったムン前委員長は、一身上の都合を理由に8月3日に辞任した。

 さらにムン前委員長には、チョン・モンギュ(鄭夢奎)前サッカー協会会長の4選への挑戦時、公認の選挙事務員の資格を持たない身でありながら事実上選挙運動に関与していた疑惑も指摘されている。聴聞会当初は「私は定職もなく自宅にいた人間だった」と関与を否定したものの、客観的な証拠や録音記録が突きつけられると「よく分からない。事前の回答書に誤りがあった」と前言を翻し、偽証疑惑にも問われていた。

 これに関連し、イ・ジェジョン文化体育観光委員長は協会側の調査状況を問いただした。これに対し、イ・ヨンス大韓サッカー協会会長代行(副会長)は「ムン前委員長が強く否定していた。法的な強制調査権がない状況だったため、内部的には調査を行ったが、本人があまりにも強く否定したため、それ以上の調査は行わなかった」と明かした。この答弁に対し、イ・ジェジョン委員長は「他の証言や状況証拠があるはずであり、それらを総合して適切に判断すべきだ。今おっしゃった話は理解できない」と協会の消極的な事後対応を厳しく断じた。

■12月18日に次期会長選
 組織改革と信頼回復が急務となるなか、大韓サッカー協会は新体制への移行を急ぐ構えだ。YTNの報道によると、協会側は次期会長選挙を12月18日に実施する案を暫定的に準備していると明かした。

 今年7月にチョン・モンギュ前会長が辞任したことを受け、サッカー協会はこれまで新会長選挙を年内に行う方針を示していたが、具体的な日程を公式に明かしたのは今回が初めてとなる。YTNによると、イ・ヨンス会長代行は国政監査の答弁において「革新委員会や文化体育観光部、大韓体育会と協議しながら、有権者数を2万人程度に拡大する案を準備している」と説明した。

 しかし、審判行政の腐敗疑惑や歴代執行部の選挙介入疑惑が未解決のまま残されており、単なるトップの交代だけで協会の組織体制を刷新できるかについては懐疑的な視線も根強い。

【編集長の韓察眼】
閉鎖的な学閥や人脈支配という制度上の歪みが、審判人事の専横を許す温床となった。過去の不正発覚時と同様に内部調査を放棄する隠蔽体質が露呈し、現地では前体制の清算なき選挙強行への反発が渦巻く。有権者を拡大する12月の会長選が実質的な自浄能力を示す契機となるか、徹底した真相究明がなされるかを注視したい。

出典: 韓国KBS / YTN


タイトルとURLをコピーしました