北朝鮮の写真公開に「代役」主張も 韓国当局は金正恩氏の脳出血死亡説を一蹴

📌 この記事の3行要約
  • 金正恩氏の脳出血死亡説が拡散、動静写真の公開後も代役疑惑が燻る
  • 虚偽投稿歴ある活動家の主張を米英紙が拡散、北の閉鎖性や大規模な接続障害も重なる
  • 韓国当局は一蹴するが、繰り返す健康不安説と歪む情報空間が焦点

【韓察日報】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が脳出血で死亡したという根拠のない噂が海外のソーシャルメディア(SNS)上で拡散し、北朝鮮が動静を伝える写真を公開したものの「過去の資料写真」「代役」といった疑惑が相次いで浮上している。韓国の外交・安保当局が死亡説を「全くの初耳」「荒唐無稽だ」と一蹴する中、MBNなどの報道によると、噂の発信源とされる人物の過去の虚偽投稿歴や、北朝鮮当局の公式ウェブサイトで同時期に大規模な接続障害が発生していた事実が確認されている。

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■発信源は反体制活動家、根拠なき主張が一人歩き
 今回の死亡説は、米国内の中国反体制派として知られるシェ・ワンジュン(謝万軍)氏がSNS「X(旧ツイッター)」に投稿した主張が発端となった。シェ氏は、金委員長が突然の脳出血で倒れて意識を失い、中国・北京の病院へ緊急搬送されたものの死亡したと主張した。さらに、金委員長の死後は妹の金与正(キム・ヨジョン)氏が実権を握った、あるいは中国共産党が娘のジュエ氏への権力継承を支援するため兵力9千人を平壌へ派遣したなどといった主張を展開したが、いずれも具体的な根拠は一切提示していない。英紙『ザ・サン』や米紙『ニューヨーク・ポスト』などがこの投稿を取り上げたことで、噂が一気に世界へ拡散した。

 北朝鮮メディアが金委員長の活動を伝える写真を公開して反論を試みたものの、シェ氏は「資料室から生前の写真を取り出して公開したものだ」と再び根拠なく反発した。ネット上でも「代役ではないか」との声が上がるなど、疑惑が燻り続けている。なお、シェ氏は中国で非合法団体とされる「中国民主党」の主席を自称し、過去にも習近平国家主席の死亡説や代役説といった虚偽情報を流し続けてきた経緯がある。

 こうした中、北朝鮮外務省や朝鮮中央通信など「kp」ドメインを使用する北朝鮮当局の公式ウェブサイトが、20日午前11時頃から午後7時頃までの約8時間にわたり接続障害に見舞われた。ハッキング攻撃などの痕跡は確認されていないものの、障害の発生時期が海外SNS上で死亡説が拡散した時間帯と一部重なっていたことから、何らかの関連性を指摘する見方も出ている。

■繰り返される「死亡説」と拭えぬ健康不安
 一方、イーデイリーは、今回の騒動に対してネット上で「金正恩氏は過去10年間で37回死亡したと伝えられている」「また復活するのか」といった冷ややかな反応が出ていると報じている。金委員長を巡る健康不安説や死亡説の浮上は今回が初めてではない。

 2014年には約40日間にわたり動静が途絶え「クーデター追放説」が囁かれたほか、2020年春にも約3週間にわたり公の場から姿を消した。とりわけ2020年には、2012年に正式に権力を継承して以来欠かさず出席していた祖父・金日成主席の生誕記念日(太陽節)における錦繍山太陽宮殿への参拝を見送ったことから死亡説が本格化し、国際社会に大きな波紋を広げた経緯がある。その後、活動を再開した際には当時のトランプ米大統領が「戻ってきたこと、健康な姿を見られて嬉しい」とSNSに投稿した。当時の国家情報院は、心臓関連の処置や手術を受けた形跡はなく、内部の体制再編や新型コロナウイルス感染症への対応により公開活動が大幅に減少していたと明かした。

 現在40代の金委員長は、重度の肥満や心血管疾患の家族歴があるとみられ、動静が途絶えるたびに健康不安説が浮上しやすい素地がある。確たる根拠を欠いた情報が瞬く間に拡散する背景には、北朝鮮特有の極端な情報統制と、最高指導者の健康状態に対する国際社会の根強い関心の高さがある。

【編集長の韓察眼】
SNSを賑わす「過去10年で37回」という数字の真偽すら確かめようがないほど、金正恩氏の死亡説は幾度も繰り返されてきた。生成AI技術の進化に伴い、「代役」や「影武者」といった言説が一段と説得力を帯びかねない環境が整いつつある。辟易させられる流言でありながら、荒唐無稽な言説を今なお増幅させる情報空間の行方を注視したい。

出典: MBN / イーデイリー


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