【DMZ地雷爆発】北の責任逃れを後押し 韓国統一相「攻撃と断定困難」発言が国際問題へ飛び火

【韓察日報】非武装地帯(DMZ)で発生した地雷爆発を巡り、チョン・ドンヨン(鄭東泳)統一相が「現時点では北朝鮮による意図的な攻撃と断定するのは難しい」との立場を維持していることを受け、韓国内の政争のみならず国連での南北応酬にまで波紋が広がっている。MBCなどの報道によると、チョン統一相は国会国政監査で本件を「基本的には地雷爆発事故」と規定したが、野党からの激しい追及を受けるとともに、北朝鮮側がこの発言を対外的な説明の根拠として悪用するなど波紋が長期化している。

■「地雷攻撃」断定を回避した統一相
 チョン統一相は7日、南北会談本部(ソウル市鍾路区)で開かれた国会外交統一委員会の国政監査で、現時点で北朝鮮による意図的な攻撃と断定することは困難との見解を示した。ハン・ドンフン議員(無所属)から「地雷という物体自体が故意を象徴するものではないか」と問われたチョン統一相は、「現時点では地雷攻撃と特定することはできない」と回答した。政府の公式立場は「軍事境界線(MDL)の南側10メートルを侵犯したというものだ」と述べるにとどめた。

 さらに野党「国民の力」のパク・チュングォン(朴沖綣)議員が「事故か、挑発か」と質したのに対し、チョン統一相は「意図についてはまだ最終的な発表がされていない」とし、「基本的には地雷爆発事故と規定している」と述べた。その上で、南北合わせたDMZ内には約220万発の地雷が埋設されており、完全な除去には100年から200年かかると指摘した。「良い政治とは憎悪や敵対心を煽ることではなく、対立や敵対を和解と協力へと変えるために知恵を絞ることだ」と強調した。

 一方、国家安全保障会議(NSC)においてチョ・ヒョン外相が提案した対北朝鮮独自サイバー制裁を巡る意見対立の報道に関しては、「サイバー制裁と地雷爆発事故への対応に何の関係があるのか」とし、「対応として適切ではない」との姿勢を堅持した。

■国連舞台への波及と北朝鮮の反論
 国内での議論にとどまらず、問題は外交の場へも拡大している。韓国SBSによると、8日(現地時間)に米ニューヨークの国連本部で開かれた第81回国連総会軍縮・国際安全保障分野の一般討論において、南北による激しい舌戦が繰り広げられた。

 韓国のチャ・ジフン国連大使は、9月21日にDMZで発生した地雷爆発事故について、「軍事境界線の南側に北朝鮮軍が意図的に埋設した地雷によって発生したことが確認された」と述べ、「明らかな休戦協定違反だ」と批判した。北朝鮮に対して緊張高揚行為の中止と公式な謝罪、責任ある措置、対話への復帰を強く求めた。

 これに対し北朝鮮側の代表は、今回の件を正当な主権行使である南側国境地帯の要塞化措置に対する妨害行動だと反論し、自らの責任を転嫁する韓国軍部の「稚拙な工作」と非難した。さらに北朝鮮側はチョン統一相の名前を直接挙げ、韓国当局者自身が意図的な攻撃と断定するのは難しいと認めたと主張した。チョン統一相の発言を自らの主張の裏付けとして引用した上で、韓国側の要求を拒否し国境地帯での主権行使を断固として継続する意向を示した。

■野党からは更迭要求
 北朝鮮が統一相の発言を盾に責任を回避する姿勢を見せたことで、韓国内の野党は激しく反発している。YTNによると、野党「国民の力」のチョン・ジョムシク(鄭点植)院内代表(国会対策委員長に相当)は9日、自身のSNSを通じ、イ・ジェミョン(李在明)大統領に対してチョン統一相の更迭を要求した。

 チョン院内代表は、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(キムヨジョン)党総務部長や国連の北朝鮮代表がチョン統一相の発言を根拠に「韓国政府も意図的な攻撃と断定するのは難しい立場だ」と主張している点を問題視した。「チョン統一相の発言が北朝鮮の責任を免除する口実を与えた」と強く批判した。その上で、対北屈従路線の代表格であるチョン統一相を更迭することこそが、北朝鮮の挑発に対応し民心を反映するための最低限の措置だと訴えた。

【編集長の韓察眼】
対話を優先する韓国政府の配慮が、安全保障における対外メッセージの不一致を招いた格好だ。謝罪を拒む北朝鮮に対し、閣僚発言が責任回避の材料として悪用された事実は極めて重大だ。国内で野党からの批判が強まる中、対北方針の一貫性維持と統一相の進退を巡る政権判断を注視したい。

出典: MBC / 韓国SBS / YTN

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