- 康京和駐米大使が対米協議の限界を吐露、高官協議の停滞を認める
- DMZ地雷爆発巡り大統領発言と食い違い、同盟と安保の混乱が深刻化
- 与党内からも刷新論が噴出、大統領が外交安保陣容更迭に踏み切るか
【韓察日報】康京和(カン・ギョンファ)駐米大使は12日(現地時間)、米ホワイトハウスとの意思疎通に限界があり、高官レベルの協議がもどかしいほど進んでいない事実を認めた。北朝鮮対応を巡る米韓間の亀裂や情報共有の中断など同盟関係の異常兆候が相次ぐ中、前線の外交トップ自らが対米外交の難航を吐露した形だ。さらに非武装地帯(DMZ)での地雷爆発事件を巡っても、李在明(イ・ジェミョン)大統領らの説明とは一線を画す認識を示すなど、政権中枢と外交安保現場の乖離が浮き彫りとなっている。TV朝鮮などの報道によると、対米関係の悪化を受けて与党内からも外交・安保チームの刷新を求める声が噴出している。
■高官協議は停滞、深まる米韓間の不協和音
米国で開催された国会外交統一委員会の国政監査において、康大使は「ホワイトハウスとのコミュニケーションには限界があることを認めざるを得ない」と証言した。また、「高官レベルでの協議は、現時点では私自身ももどかしいほど、望むようには進んでいない」と述べ、米韓関係の対話チャンネルに重大な支障が生じている実態を率直に認めた。
これまでチョ・ヒョン外相は「韓米間の懸念は根拠のないもの」として関係悪化を否定してきた。しかし水面下では、米国側が北朝鮮によるサイバー攻撃に対処する日米韓実務グループ会議への国家情報院の不参加を要請したほか、鄭清来(チョン・チョンレ)前「共に民主党」代表への米ビザ発給が見送られ現地の国政監査に出席できないなど、異例の事態が続いていた。
こうした中、イ・ジョンソク国家情報院長とともに摩擦の震源地として名指しされている鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一相は「韓米同盟に全く異常はない」と強硬姿勢を崩していない。鄭統一相は、米国側が北朝鮮核施設に関する情報共有を中断した措置に対しても「誤った措置であり、米国が間違っている」と米側を公然と批判し、対立を一段と深めている。
■DMZ地雷事件巡り大統領発言と食い違い
一方、チャンネルAは、康大使が同じ国政監査の場で、北朝鮮に対する安保認識を巡っても政権首脳部との見解の相違を露わにしたと報じている。
韓国軍将兵3人が重傷を負ったDMZでの地雷爆発事件について、韓東勲(ハン・ドンフン)議員(無所属)から「意図的な攻撃か、不慮の事故か」を問われた康大使は、「不慮の事故ではないことは明らかだ」と明かした。康大使は「流失したものではないことは合同参謀本部によって明らかにされており、北朝鮮が埋設したことは明白だ」とした上で、「埋設するという行為自体に意図がある」と指摘した。
これは、李在明大統領が1日の「国軍の日」記念演説で同事件を「不慮の事故」と表現し、鄭東泳統一相が「まだ攻撃と特定できない」と答弁した姿勢と真っ向から対立する。大統領の発言との矛盾を突かれた康大使は、「合同参謀本部が発表した内容から判断すれば意図的に設置された地雷であり、その意味で不慮の事故ではないと見ている」と重ねて強調した。軍当局は同事件について、通常の捜索作戦中の将兵が北朝鮮軍の地雷により負傷した「北朝鮮地雷事件」と公式に規定している。
■与党内からも「外交・安保陣容の刷新」の要求噴出
対米外交の行き詰まりと政府首脳部による北朝鮮問題の認識の甘さが露呈する中、世論では鄭統一相の更迭を求める声が急速に高まっている。
政権を支える与党「共に民主党」の内部からも批判が噴出しており、国家情報院長を務めた重鎮の朴智元(パク・チウォン)議員は「このままではいけない」と警鐘を鳴らし、「外交・安保チームを筆頭に果敢な刷新が必要だ」と主張した。対米関係の冷却化と安保認識の混乱が放置できない水準に達したとの危機感が、与党内にも急速に広がっている。
【編集長の韓察眼】
李在明政権の対北融和路線と米国の警戒態勢との乖離が、現場外交の機能不全と認識の食い違いを生んだ主因だ。過去の進歩政権下で繰り返された前のめりな対話姿勢が軍や同盟国との摩擦を招いた経緯を彷彿とさせる。与党重鎮からも更迭論が噴出する外交・安保陣容の刷新に大統領が踏み切るか、今後の決断が焦点となる。

