米ビザ発給遅延で与党前代表が渡米断念 脱北者「北送説得」質疑での態度めぐり物議

【韓察日報】国会外交通商統一委員会に所属する与党「共に民主党」のチョン・チョンレ(鄭清来)議員が、米政府からのビザ発給が見送られたため、国政監査の訪問先を米国からヨーロッパへ急遽変更した。MBCなどの報道によると、チョン議員は米国務省による審査が長期化していることを受け、11日から予定されていた米州班での在外公館監査を断念し、欧州班への異動を申請した。一方、同委員会の監査会場では、与党議員による野党質疑への嘲笑や、チョン・ドンヨン統一相による南北軍事境界線(MDL)再画定をめぐる発言が相次ぎ、与野党の対立が決定的に深まっている。

■米ビザ不発給で渡米断念 与党幹部は「強い遺憾」を表明
 外交通商統一委員会の米州班は、11日から22日までの9泊12日の日程で、米国、ブラジル、コロンビア、カナダなどを訪問して在外公館監査を実施する予定だった。しかし、4選で党代表も務めた重鎮のチョン議員に対する米国務省のビザ審査は停滞したまま、発給が見送られた。チョン議員は自身のSNSで「許可も不許可でもない状態をこれ以上待てず、緊急に欧州班への変更申請を行った」と経緯を説明し、「理由はよく分からないが遺憾だ」と胸中を明かした。

 この事態に対し、共に民主党のキム・ミンソク(金民錫)代表も「信頼の高い4選議員であり、直近の与党代表である人物へのビザ発給遅延に対し、強い遺憾の意を表する」と語り、米韓外交当局に迅速な解決を求めた。

■野党の質疑に嘲笑 委員長が厳重警告
 ビザ問題で揺れる中、統一部を対象とした国政監査の現場では、与野党議員間の感情的な対立が露呈した。TV朝鮮の報道によると、元北朝鮮のミサイル研究者という経歴を持つ脱北者出身の政治家、野党「国民の力」のパク・チュングォン(朴沖綣)議員は、統一部や民主社会のための弁護士会(民弁)が脱北者向けに「北朝鮮への帰還を説得した」という疑惑について質疑を行っていた。その際、チョン・ドンヨン(鄭東泳)統一相や与党「共に民主党」のホン・ギウォン議員、チョン・チョンレ議員らがあざ笑いを浮かべる一幕があったという。

 パク議員が「これが笑える話か」と強く抗議すると、ホン議員らは「常識外れの内容に自然と笑いがこぼれただけだ」と反論した。チョン・チョンレ議員も「可笑しくて笑った。人間の生理現象は制御しがたい」と主張したが、ソン・ソクチュン委員長は「相手にとっては嘲笑に映る可能性がある」と述べて厳重警告した。

■MDL再画定で「韓国排除の米朝協議」を容認 野党が反発
 さらに国政監査では、南北軍事境界線(MDL)の画定をめぐるチョン統一相の発言が波紋を広げた。チョン統一相は、MDL再画定に向けた議論が米朝間で行われる可能性に言及し、「第1段階で韓国が除外される点はあるが、それによって安全が確保され平和に寄与するなら問題ない」と語り、自国の領土・安保問題において韓国が外れた議論を容認する姿勢を示した。

 野党側は自国主権を軽視する姿勢だと強く反発したものの、チョン統一相は「緊急性などを考慮した発言だ」と釈明するにとどめた。

【編集長の韓察眼】
鄭清来議員は「理由はよく分からない」と説明するが、2013年の国政監査でも米ビザ発給を拒否されている。1989年の米公邸侵入事件で名を馳せた同氏への慎重な対応の背景には、対米・対北姿勢をめぐる根深い不信感がある。与野党の対立が激化する中、今後の国政監査の展開を注視したい。

出典: MBC / TV朝鮮


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