野党時代は「証人不可欠」だった共に民主党 巨大スキャンダルのキム・スンウォン聴聞会は「証人なしが通常」

【韓察日報】法務部長官候補に指名された与党「共に民主党」の金勝源(キム・スンウォン)議員の人事聴聞会が、証人・参考人が1人も採択されないまま今月15日に行われる見通しとなった。韓国SBSなどの報道によると、国会法制司法委員会における与野党の証人採択交渉が最終締め切りの9日深夜までに決裂し、検証手続きを欠いた「中身のない人事聴聞会」の実施が決定した。

■「新薬ロビー疑惑」めぐり与野党対立
 野党「国民の力」は、キム候補者の「食品医薬品安全処への口利き(新薬ロビー)疑惑」などを検証するため、44人の証人と4人の参考人の出席を要求した。しかし、与党「共に民主党」は、検察が過去に起訴猶予処分で完結させた事件であることを理由に、採用を全面的に拒否した。

 これに対し、YTNは与野党の攻防が急激に激化していると報じている。民主党は11日、キム候補者を「適切な人選」と主張し、過去の起訴猶予処分を根拠に疑惑を否定した。一方で国民の力は、本件を単なるロビー活動にとどまらない権力型スキャンダルと断定した。株価操作犯罪やKHグループ、サンバンウル対北送金事件との関連性を指摘し、聴聞会にとどまらず国政調査や特別検察官(特検)の設置が必要だと訴えて攻勢を強めている。

■与党の態度一変と制度形骸化への批判
 証人不在への批判に対し、民主党所属のソ・ヨンギョ国会法制司法委員長は「長官候補者自身が証人だ。証人なしで進めるのが通常の人事聴聞会である」と主張し、手続きを正当化した。しかし、同氏は尹錫悦政権下の2022年に国会行政安全委員長を務めていた際、「人事聴聞会における証人尋問は候補者を客観的に検証する上で不可欠な手続き」と述べており、立場の一変が際立つ。

 李在明政権の発足以降、これまで行われた25回の首相・長官候補者の人事聴聞会のうち、証人が一人もいない聴聞会は18回に上る。

■過去事例との比較と懸念
 過去の法務長官聴聞会を振り返ると、チョ・グク氏には11人の証人が採択され(実際に出席したのは1人)、ハン・ドンフン氏には4人の証人が出席して質疑が行われた。

 MBNの報道によると、李明博・朴槿恵政権において金京漢氏の人事聴聞会以外で証人・参考人が不在だった事例はなく、文在寅政権の秋美愛・朴範界両氏や、李在明政権初代の鄭成浩候補者の公聴会でも同様に証人なしで進行された経緯がある。

 歴史的に「証人0人」自体は前例のない事態ではない。しかし、今回のキム候補者の公聴会は与野党間の交渉決裂によって実質的な疑惑検証が困難となる見込みで、「国民の前での人事検証」という人事聴聞制度本来の趣旨を損なうとの批判が一段と高まっている。

【編集長の韓察眼】
6省庁の閣僚候補者全員がスキャンダルを抱える前代未聞の内閣改造は、政権浮揚を目指す政権与党にとって大きな逆風となっている。人事聴聞制度は本来の検証機能を失い、候補者への追及と身内擁護が交錯する劇場型政治の場と化しているのが実情だ。「証人なしが通常」とする与党の強弁に対し、野党側の特検設置要求がどこまで拡大するか注視したい。

出典: 韓国SBS / MBN / YTN

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