練習機の老朽化進む空自、森田航空幕僚長が韓国製T-50を視察

📌 この記事の3行要約
  • 日本の空自トップが訪韓し、次期練習機候補の韓国製T-50を直接視察へ。
  • 練習機更新が急務の自衛隊と、米軍事業から撤退した韓国側の利害が一致。
  • 防衛連携が進む中、韓国製が次期練習機に正式選定されるかが今後の焦点。

【韓察日報】練習機の深刻な老朽化に直面する日本の航空自衛隊トップが、韓国製練習機の導入を視野に現場視察へ乗り出す。韓国OBSなどの報道によると、森田雄博航空幕僚長が22日から2泊3日の日程で韓国を訪問し、T-50の機動飛行や軽攻撃機FA-50の生産工場を視察すると発表した。米国市場では巨額の導入事業からの撤退を余儀なくされた韓国製練習機だが、隣国・日本の後継機レースにおいて有力な選択肢として急浮上している。

■日本の空自トップ訪韓、輸出へ高まる期待

 航空幕僚長は訪韓期間中、泗川(サチョン)エアショーで韓国空軍アクロバット飛行チーム「ブラックイーグルス」が運用するT-50の機動飛行を視察するほか、FA-50の製造ラインを確認する。防衛省・自衛隊の制服組トップが自ら韓国製軍用機の生産現場に足を運ぶのは異例であり、日本への実質的な輸出に向けた布石との見方が強い。今年6月には小泉進次郎防衛相もT-50Bの操縦席に着座しており、防衛省幹部による機体評価が着実に積み重ねられている。

 日本が韓国製機体に注目する背景には、導入から約40年が経過した国産中等練習機「T-4」の深刻な老朽化がある。昨年5月には墜落事故により2名のパイロットが命を落とす惨事が発生し、安全な後継機の選定は一刻の猶予も許されない課題となった。日本政府は代替機の模索を本格化させているが、欧州製を選定した場合は韓国製に比べて性能面で見劣りするとの指摘が根強く、実績と機動性に優れるT-50系が有力候補に挙がる背景となっているとOBSは伝えている。

 実際にFA-50は軽攻撃機でありながら事実上の戦闘機としての任務を遂行することが可能であり、フィリピン空軍では米軍のB-1B爆撃機を護衛して南シナ海を哨戒するなど、実戦的な任務で高い信頼を獲得してきた。韓国航空宇宙産業(KAI)のキム・ジェホン常務は「予算の制約により優れた航空機を購入できない国が数多くある中、FA-50のようにコストパフォーマンスに優れた機体こそ多くの顧客が求めているものだ」と述べた。東南アジアや中東、欧州で採用が相次ぐ実績は、日本の選定において大きなアピール材料となる。

 さらに、今回の視察は日韓物品役務相互提供協定(ACSA)締結に向けた地ならしであるとの分析も出ている。日本は今年初め、那覇基地に立ち寄ったブラックイーグルスへの給油支援を機にACSAの必要性を訴えてきた経緯がある。森田航空幕僚長は「ACSAの適用により、訓練に必要な物品や役務を円滑に相互提供でき、現場部隊間の連携をより迅速かつ効率的に行える利点がある」と語った。運用面での協力関係が深まれば、機体の導入を巡る議論も一段と加速する見込みだ。

■米海軍の「10兆ウォン」事業から撤退へ
 日本市場で輸出の活路が開けつつあるという指摘がある一方、文化日報は今年4月、米ロッキード・マーティンが約10兆ウォン規模に上る米海軍の次世代高等練習機(UJTS)導入事業への入札参加を断念したと報じている。老朽化したT-45練習機を最大216機更新する巨大プロジェクトだったが、KAIと組んで提案していたT-50ベースの「TF-50N」による米市場進出は頓挫した。

 撤退の主因は機体性能ではなく、米国製部品比率75%を義務付ける「バイ・アメリカン法(BAA)」の規制や、米韓相互調達協定(RDP-A)の未締結に伴う価格競争力の低下にある。加えて米海軍が空母着艦訓練の要件を緩和したことで、TF-50Nが誇る超音速性能や頑丈な機体構造といった強みが差別化要素になりにくくなった。ロッキード・マーティン自体の生産能力がF-35などの増産で飽和していた事情も重なった。

 この撤退により、UJTSの競争の構図はボーイング・サーブ、テキストロン・レオナルド、シエラ・ネバダの3陣営に絞られた。過去に低価格受注の実績を持つ陣営が優位に立つとみられる中、KAIは米国市場向け事業戦略の大幅な見直しを推進する方針だ。

【編集長の韓察眼】
練習機の更新が急務の自衛隊と、米巨大事業から撤退を余儀なくされた韓国防衛産業の利害が急速に一致しつつある。過熱する現地報道の背景には、東南アジアでの実戦実績に加え、ACSA締結を見据えた防衛連携の加速がある。現時点で次期練習機の取得方針や機種は正式決定していないとされているが、今後の動向を注視したい。

出典: 韓国OBS / 文化日報


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