野党「国民の力」、映画『暗殺者(たち)』の歴史歪曲批判を強化 中国系資本400億ウォンも矢面に

【韓察日報】朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の妻、陸英修(ユク・ヨンス)夫人銃撃事件(文世光事件)を扱った映画『暗殺者(たち)』をめぐり、野党「国民の力」による批判が日増しに強まっている。同党は作品内容が深刻な歴史歪曲にあたると主張し、映画制作陣に対する謝罪や上映中止、法的処罰を求めて攻勢を強めている。JTBCなどの報道によると、同映画は当時の政府発表とは異なり事件の黒幕を明示せず様々な疑惑や仮説を描いているが、野党側はこれを自由民主主義体制と歴史への攻撃と捉え、対立の火種が広がっている。

■野党幹部らが一斉に反発「歴史歪曲と二重基準」
 国民の力のチャン・ドンヒョク代表は29日、SNSを通じて「左派陣営が李承晩(イ・スンマン)、朴正煕両大統領を攻撃する理由は、大韓民国の正統性を否定するためだ」と批判した。チャン代表は、同作品が朴大統領個人への攻撃にとどまらず体制や歴史そのものを狙ったものだと主張した。

 また同党のチュ・ジンウ(朱晋佑)議員は、映画の監督や出演陣に対し、朴大統領の墓前での参拝と謝罪を強く求めた。チュ議員は、李在明(イ・ジェミョン)大統領や与党「共に民主党」が他の問題には厳格な姿勢を見せる一方で同映画を放置・庇護しているとして、政権側の「二重基準」を攻撃した。その上で、上映中止や法的処罰のほか、歴史歪曲によって得た不当な収益の回収を強調した。

 さらにイ・ジンスク(李眞淑)議員も国会で記者会見を開き、公開時期が10・26(朴正煕暗殺事件)に近い点に触れ、「左派陣営による歴史の書き換えだ」と指摘し、自主的な撤回を呼びかけた。

■400億ウォンの中国資本投入疑惑 国政監査で究明へ
 こうした批判に対し、さらなる疑惑を突きつける動きもある。NEWSISは、チュ議員が28日のYouTube番組で、同映画の制作会社ハイブ・メディア・コープに中国系資本が深く関与している疑惑を提起したと報じている。

 NEWSISによると、チュ議員は中国中信グループ傘下のCLSAキャピタルが同作に400億ウォン規模の投資を行った点を取り上げ、「中国共産党の指揮下にある組織の資本が背後で世論を操作している可能性がある」と強調した。また、文世光による犯行背景は捜査で明白になっていると説明し、「父親が母親を殺害させたかのような構図を描くこと自体が不道徳だ」と強く非難した。

 チュ議員は過去に不祥事を起こした俳優の起用や、大手ポータルサイト「ネイバー」での評価操作の可能性にも触れ、アクセス元の国籍表示義務化を要求した。一連の疑惑について、今後の国政監査で徹底的に究明し、死者の名誉毀損や投資不正に対する法的責任を追及する構えを見せている。

■制作陣は「フィクション」強調も論争収まらず
 映画『暗殺者(たち)』は今月23日に公開された作品で、1974年8月15日の銃撃事件を題材としている。制作陣は声明を通じて「実際の事件をモチーフに架空の人物や状況を組み合わせたものであり、特定の歴史的結論を確定させたり事実を歪曲する意図はない」と釈明した。しかし、野党側が国政監査での徹底究明や法的措置を辞さない構えを見せていることから、政界を巻き込んだ歴史論争と波紋はさらに拡大する見通しだ。

【編集長の韓察眼】
スタバ応援歌騒動で培材高野球部に謝罪を強いて部員2人を退部に追い込んだ側が、痛烈な反対攻勢を食らう格好だ。映画制作陣に対して、相応の法的処罰を望む声の高まりが予想される。文世光以外の共犯の存在を示唆する作品が「フィクション」という釈明で乗り切れるか、今後の議論の推移を注視したい。

出典: JTBC / NEWSIS


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