異例の米韓演習縮小に李在明大統領が「敬意」、北は「お世辞」と酷評し10発発射

【韓察日報】韓米合同軍事演習の縮小を巡り、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領がトランプ米大統領の決断に敬意を表し、対話維持に向けた「ペースメーカー」としての役割を強調した。YTNや韓国KBSなどの報道によると、北朝鮮はこの動きに冷淡な反応を示した上、日本海上に向けて短距離弾道ミサイル10発余りを一斉に発射した。対米・対中交渉を見据えた駆け引きが強まる中、朝鮮半島を巡る安全保障情勢はますます複雑化している。

■対米協調と自主防衛を強調する韓国政府

 李大統領は深夜、自身のSNSを通じてトランプ大統領に対する強い支持と激励のメッセージを投稿した。韓米合同演習および野外機動訓練の縮小を通じたトランプ氏の平和構築への取り組みに深い共感を示し、その決断に敬意を表明した。トランプ氏が朝鮮半島の「ピースメーカー」となるならば、自らはそれを支える「ペースメーカー」として尽力する考えを再確認した。

 同時に、韓米同盟の懸念や国内の安全保障上の不安を払拭するため、国防力の強化も前面に押し出した。韓国は北朝鮮のGDPの1.4倍に相当する国防費を支出しており、今後はGDP比3.5%の達成を推進する方針だ。また、イラン問題を意識し、法的・政策的な枠組みの中でホルムズ海峡での自由航行に向けた国際的な取り組みに積極的に参加する意向も明かした。

■北朝鮮の反発と金与正氏の酷評

 こうした動きに対し、北朝鮮は激しく反発している。TV朝鮮によると、金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正党副部長(キム・ヨジョン)氏は、トランプ氏の一方的な指示による演習縮小について「ソウルが最も好んでいた戦争ごっこができなくなった哀れな状況だ」と批判した。演習を「形骸化した演習」と嘲笑した上で、韓国の安全保障を外国勢力に委ねる姿勢を指摘し、李大統領の言動を「白々しいお世辞」だと酷評した。「リ・ジェミョンの裏表のある言動は、韓国の不安と焦りに満ちた矛盾した心理を如実に示している」と暴言を浴びせ、「この機会に徹底して従属的な自らの立場を認識し、生き残り策を見つけるのはどうだろうか」と皮肉たっぷりにアドバイスした。

■短距離ミサイル一斉発射による存在感の誇示

 言葉による批判にとどまらず、北朝鮮は武力威嚇にも踏み切った。北朝鮮は20日午後5時頃、平壌一帯から日本海上に向けて短距離弾道ミサイル10発余りを一斉に発射した。飛行距離は約300kmで、軍当局は戦術核弾頭「火山-31」を搭載可能とされる600mm超大型多連装ロケット砲(KN-25)である可能性が高いとみている。

 今回の発射は、トランプ氏の指示で短縮された演習の終了前日であり、中国の王毅外交部長の訪韓直後というタイミングで行われた。専門家は、自国の問題を韓米や韓中が扱うことへの不満を示し、存在価値を高める狙いがあると分析している。これを受け、大統領府国家安保室は緊急安保状況点検会議を開き、万全の備えを指示した。

【編集長の韓察眼】
 米韓合同演習の日程大幅縮小をSNSで発表し、イラン非核化協力拒否を暴露したトランプ氏に「敬意」を示すも、北からは容赦ない酷評を浴びせられた。米中のはざまで「ペースメーカー」を自認する李在明流外交は、北の露骨な反発と軍事威嚇によって早くも壁にぶつかっている。米朝の直接交渉を見据えた各国の駆け引きが加速する中、当事国として安全保障上の存在感をいかに維持できるか真価が問われよう。

出典: YTN / 韓国KBS / TV朝鮮

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