韓国選管庁舎に有刺鉄線と対ドローン装備設置? 予算要求に批判の声相次ぐ

【韓察日報】6月3日に投開票が行われた韓国統一地方選挙で投票用紙不足事態を引き起こし激しい批判を浴びた中央選挙管理委員会(中央選管)が、過激な集会対応などを名目に有刺鉄線や対ドローン装備を設置する「庁舎防護強化事業」として14億ウォンを要求していたことが明らかになった。文化日報などの報道によると、選管は選挙が行われない年であるにもかかわらず人件費や運営費を大幅に増額させており、自らの不祥事による信頼低下を顧みない過剰な警備強化姿勢に対して冷ややかな視線が注がれている。

■高さ2.7メートルの有刺鉄線に対ドローン装備まで要求
 野党「国民の力」キム・ウンヘ議員が入手した「中央選挙管理委員会2027年度予算要求事業説明資料」によると、選管は果川庁舎に高さ2.7メートルの有刺鉄線付きフェンスを設置するため1億5000万ウォンを要求した。さらに、防護管制室の設置に2億4100万ウォン、統合状況室の設置に2億6500万ウォン、職場予備軍(職場単位の予備役組織)の銃器保管庫および戦闘装備類の配備に1800万ウォン、対空防衛施設である対ドローン装備の配備に8000万ウォンなどを要求項目に盛り込んだ。

 選管が提出した来年度予算案の総額は、前年比1.3%減の4783億7700万ウォンだ。しかし、「選挙のない年」であるにもかかわらず人件費と運営・支援費の予算は大幅に増額された。選管側は事業新設の理由について「選挙管理環境の変化に伴い急増する集会や過激なクレーマーへの対応のため、防護力の強化が必要だ」と説明している。

■開票所封鎖デモの沈静化と警察による事件処理の現状
 選管が集会対応の強化を主張する一方、関連するデモの動向や警察の捜査状況についてメイル新聞はソウル警察庁長の発言を交えて報じている。ソウル警察庁長によると、オリンピック公園ハンドボール競技場で50日以上続いている開票所封鎖デモの参加人数は減少傾向にあり、特に国政調査特別委員会の調査以降は通報件数と集会規模が著しく減少しているという。

 警察が公式に公表したデモ規模のデータによれば、従来は平日の昼に300〜400人、夕方には700〜800人が集まり、週末には最大1500〜3000人に達していたが、先週は週末でも1000人を超えない水準に落ち着いている。

 ただし、現場での違法行為やトラブルは依然として散発している。これまでに警察が受理した事件は計113件に上り、そのうち46件で捜査を完了、残る67件について引き続き調査を行っている。警察によると、事件の大半(93件)は参加者同士の争いだが、ハンドボールのユース選手に関連する事件や警察官への暴行・名誉毀損なども含まれる。公務執行妨害の5件については全員を送検し、一部を勾留処分としたほか、ジャーナリストへの暴行事件も調査を完了したと明かした。

■失われた信頼を「防衛装備」で覆い隠す姿勢に批判
 憲法上の独立機関である選管が外部の脅威に対応する目的自体は理解されうるものの、最高レベルのセキュリティや重装備まで導入して庁舎を保護しなければならない現状は、選管がいかに国民の信頼を失っているかを如実に物語っている。

 対応の拙さや不祥事に対する徹底的な猛省を後回しにし、高圧的な要塞化へと走る選管に対し、自ら招いた不信を物理的な壁で遮断しようとしているとの批判は免れない見込みだ。

【編集長の韓察眼】
 選挙管理の失敗で揺らぐ国民の不信を、物理的な防壁で遮断しようとする韓国中央選管の姿勢は失着と言わざるを得ない。憲法機関の威信は重装備ではなく、中立性と透明性の徹底によってのみ担保される。過激デモへの対応という側面はあるものの、信頼回復という本質的な構造課題を棚上げにした「要塞化」が、更なる不信の連鎖を招かないか注視したい。

出典: 文化日報 / メイル新聞

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