- 尹前大統領の内乱控訴審で、特検が一審に続き再び死刑を求刑した。
- 特検の自己クーデター批判に対し、尹氏は職務放棄の回避を訴え対立。
- 来月5日の最終弁論を経て、高裁が下す歴史的量刑判断の行方が焦点。
【韓察日報】尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の「内乱首謀者」容疑を巡る控訴審の結審公判がソウル高裁で開かれ、特別検察官(特検)チームは一審と同様に死刑を求刑した。TV朝鮮などの報道によると、特検側は当時の非常戒厳令を「自己クーデターであり反逆行為」と断じて厳重な処罰を求めたのに対し、尹前大統領側は「政治的意図に基づく起訴」であると強く反発しており、法廷での対立が鮮明になっている。
■特検は「厳罰」を要求、共犯7名にも厳罰求刑
控訴審の論告求刑にあたって、イ・チャンギュ検事ら内乱特検チームは法廷で徹底追及する姿勢を示し、厳しい態度で裁判に臨んだ。ソ・ソングァン検事は法廷において、「厳重な断罪こそが、第3の全斗煥、第2の尹錫悦のような人物の出現を阻止できる」と力説し、裁判所に対して死刑判決を求めた。
内乱首謀者の容疑に対する法定刑は、死刑、無期懲役、無期禁錮に限定されている。特検は一審の段階から一貫して死刑を求刑していたが、一審裁判所は尹前大統領に対して無期懲役を宣告していた。本日の結審公判では、尹前大統領のみならず、キム・ヨンヒョン(金龍顕)元国防部長官をはじめとする共犯者7名に対しても厳罰が求刑されている。
■「十字砲火を浴びる覚悟だった」戒厳令の背景を語る尹氏
特検側が当時の戒厳令を自己クーデターと厳しく指摘する一方、MBCは、尹前大統領が公判において「個人的に攻撃を受けることを覚悟の上で宣言したものだ」と主張したと報じている。
公判中、裁判所から「自ら状況がさらに厳しくなることを知っていたなら、戒厳令を布告する実益があったのか」と問われた尹前大統領は、「個人的に苦しい立場に立たされるからといって何もしなければ職務放棄になる」と反論した。さらに、当時の野党(現在の与党・共に民主党などの革新勢力)が主導した糧穀管理法(米穀管理法)や「黄色い封筒法(ストライキ損害賠償制限法案)」に対する法案拒否権の行使、労働組合の集団行動への対応などを挙げた。具体的には、「放置していれば攻撃されることはなかっただろうが、そうすることはできなかった」と当時の苦境を吐露した。監査院長に対する弾劾手続きが進められる状況を目の当たりにし、「十字砲火を浴びせて私を葬り去れ」という強い覚悟で戒厳令を選択したと明かしている。
■弁護団は「政治的意図に基づく起訴」と反発、来月5日に最終弁論
特検の死刑求刑に対し、尹前大統領の弁護団は、特検が自己クーデターの事実を証拠に基づいて立証できていないと批判している。ソン・ジンホ弁護士は「法と証拠に基づいた裁判を行うのではなく、政治的意図に基づいた起訴であることは十分に見て取れる」と指摘し、無罪や減刑に向けた徹底抗戦の構えを見せた。
これに先立って行われた弁護側の被告人質問の中で尹前大統領は、文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に検事総長として指揮した捜査についても言及した。「検事が選挙で選ばれた政権を揺るがすのではなく、側近・親族の不正を断固として排除し、政府を守るものだと考えていた」と述べ、自身の過去の職務執行の正当性もあわせてアピールしている。
裁判所は来月5日に尹前大統領側の最終弁論を経て、判決日を決定する方針だ。
【編集長の韓察眼】
戒厳令布告から2年近く経つ今も、正当な職務執行を訴える被告側と憲政秩序の破壊を糾弾する特検との認識の隔たりは大きい。最近リーク報道が絶えない李大統領を巡っては、ついに革新陣営からも任期を全うできない可能性が指摘される事態に至っている。「国政まひへの警鐘」論と「自己クーデター」論を巡る世論の動向と、高裁が下す判断の行方を注視したい。

