「米軍を信頼できるのか」発言で物議の韓国国防相、29日に米国防相と初会談へ

📌 この記事の3行要約
  • 韓国国防相の「米軍を信頼できるか」発言が物議。29日に米長官と初会談へ。
  • 統制権移管を急ぐ韓国政権に野党が反発。条件重視の米国とも温度差が露呈。
  • 初会談で不信感を払拭し、12月の安保協議に向け溝を埋められるかが焦点。

【韓察日報】戦時作戦統制権の移管推進を巡り、韓国のカン・シンチョル(姜信哲)国防相が国会で「米軍を信頼できるのか」と発言し、波紋を広げている。チャンネルAなどの報道によると、カン国防相の発言に対し野党からは米韓同盟を揺るがすものだと猛烈な批判が相次ぎ、国防部が火消しに追われる事態となった。一方で、カン国防相は今月29日に開かれるASEAN拡大国防相会議に出席し、米国のヘグセス国防長官と初の会談を行う見通しであり、戦時作戦統制権移管に向けた協議の行方に注目が集まっている。

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■ 野党の懸念に「逆質問」で物議、説明に追われる国防部
 発端となったのは、戦時作戦統制権の移管を急ぐ政府の動きに対する野党からの質疑だ。保守系野党「国民の力」のソン・イルジョン(成一鍾)議員は、「戦時作戦統制権の移管はわが国の存亡と国民の命がかかっている問題だ。世界最強の米国でさえイランとの戦争で苦戦している」と指摘し、慎重な対応を求めた。

 これに対し、カン長官は「おっしゃる通り、米国も現在、イランに対して苦戦しているのを目の当たりにしている。もし北朝鮮との戦争が起きた場合、果たして『米軍は信頼できるのか?』という問いに対し、答えは『いいえ』だ」と応じた。

 この発言を受け、野党陣営は一斉に反発した。「国民の力」のキム・デシク(金大植)議員が「大韓民国の国防相か、北朝鮮の国防相か」と非難したほか、イム・ジョンドゥク(林鍾得)議員も「韓米同盟を揺るがす売国的な行為だ」と批判の声を上げた。波紋が広がったことを受け、国防部のチョン・ビンナ報道官は「議員の論理に従えば、北朝鮮との戦争が起きた時でも米軍を信頼できないということのようだが、そうではない」という趣旨だったと説明した。

■ 年内目標設定を目指す韓国と慎重な米国
 こうした国内での対立が深まるなか、カン長官は29日のASEAN拡大国防相会議の場で、ヘグセス米国防長官との初会談に臨む。最大の争点は戦時作戦統制権移管の目標年度の設定である。

 政府は今年中に移管目標年度を設定する方針だ。カン長官は26日の国政監査において「移管目標年度の全体的な枠組みについて、米国側と認識を共有している。その点については、より緊密に協力していく所存だ」と明かした。今回の会談で移管条件の検証と目標年度設定への認識の一致がみられれば、年末の米韓安保協議会(SCM)に向けた重大な転換点となる。

■ SCM延期で深まる交渉の難航懸念
 しかし、両国間の立場の違いも浮き彫りになっている。韓国政府が未来連合軍司令部の検証手続きを加速させ、目標年度の明言を急ぐという指摘がある一方、YTNは米国側が依然として条件に基づいた慎重な移行を強調していると報じている。

 ヘグセス国防長官は過去に「米軍が過去数十年にわたり担ってきた責任が尊重される適切な妥協点を見出さなければならない」と指摘しており、最近ではブランソン在韓米軍司令官も戦時作戦統制権移管に関する新たな基準について言及している。米側が交渉においてこうした立場を堅持するかが鍵となる。

 アサン政策研究院のヤン・ウク研究委員は「ブランソン司令官の発言をどこまで反映させるか、これについて韓米両国が合意に達することができるかが、12月のSCMの成否を左右するだろう」と分析し、「11月の1カ月間、韓米間で激しい駆け引きが繰り広げられる」と見通した。

 当初11月に予定されていたSCMが12月へと1カ月先送りされたことも、交渉の難しさを示唆している。国防トップの発言で米韓同盟の揺らぎが懸念されるなか、多国間会議の場における米側のメッセージにさらなる注目が集まっている。

【編集長の韓察眼】
自主国防を掲げて早期移管を急ぐ政権と、米韓同盟を最優先する保守派の根深い安保観の対立が露呈した格好だ。条件重視を貫く米側との温度差を伝える現地報道の通り、年内の目標設定を焦る防衛当局の拙速さも透けて見える。初会談で不信感を払拭し、年末に延期された定例安保協議に向けて移管基準を擦り合わせられるか注視したい。

出典: チャンネルA / YTN


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