- 戒厳令に加担した朴性載元法相、控訴審で懲役25年から9年に大幅減刑
- 高裁は職権乱用等を無罪とし、一審・李珍官裁判長の厳罰判断を覆した
- チョ・グク氏の司法批判が現実化し、最高裁長官の弾劾攻防が激化へ
【韓察日報】2024年の「12・3非常戒厳令」に際し内乱に加担した罪で起訴された朴性載(パク・ソンジェ)元法相の控訴審で、懲役25年とした一審判決を破棄し、懲役9年が言い渡された。チャンネルAなどの報道によると、ソウル高裁は内乱重要任務に従事した行為の一部を有罪としつつも、職権乱用に関する公訴事実を全面的に無罪と判断して刑期を大幅に短縮した。一審で求刑(懲役20年)を上回る厳しい判断を下した李珍官(イ・ジングァン)裁判長の判決が覆された形となり、パク元法相側は直ちに最高裁に上告する方針を明かした。司法判断の後退とも受け取れる今回の判決に対し、政界からは強い危機感と反発の声が噴出している。
■内乱重要任務従事の罪を一部無罪に、職権乱用も無罪
ソウル高裁は、公訴事実である4つの行為のうち、内乱重要任務従事の罪として2点のみを有罪と認定した。非常戒厳令の布告当時、政治家らの身柄を拘束する目的で法務部に出国差し止め対応チームを待機させた点や、首都圏における矯正施設の受け入れ態勢の検討を指示した点については一審の有罪判断を支持した。
しかし、合同捜査本部から検事の派遣要請があった場合に備えて検討を命じた点については「一般的な指示の域を出ない」として無罪と結論づけた。さらに、法務部検察課長に対して非常戒厳を正当化する文書を作成するよう命じたとされる職権乱用に関する公訴事実についても、「指示の有無を断定することは困難だ」として一審判決を覆して無罪とした。これにより、今年6月にソウル中央地裁の李珍官裁判長が言い渡した懲役25年の一審判決から大幅な減刑となった。
■李珍官裁判長による一審判決の破棄懸念が現実に チョ・グク氏、最高裁長官の弾劾推進を加速
二審判決に先立ち、祖国革新党のチョ・グク(曺国)革新政策研究院長は李珍官裁判長による一審判決が覆される懸念を示すとともに、裁判所のこうした対応を強く批判していた。チョ院長は18日、自身のフェイスブックを通じ、現在の司法の姿勢を「李在明(イ・ジェミョン)政権と国会を揺さぶる瀬戸際戦術だ」と厳しく非難した。
TV朝鮮は、チョ院長が現・与党「共に民主党」に対し、曹熙大(チョ・ヒデ)最高裁長官の弾劾訴追案を直ちに提出するよう圧力をかけていると報じている。チョ院長は、大統領選当時、有力候補であった李在明氏に対し、チョ最高裁長官が有罪趣旨の破棄差し戻し判決を主導した経緯に触れた。その上で、「このまま行けば、金建希(キム・ゴンヒ)氏の保釈や李珍官裁判長に対する忌避の申立てを認める決定、そして同裁判長が言い渡した判決が覆される事態が次々と起こる」と警鐘を鳴らしていた。奇しくも今回のパク元法相への控訴審判決で、その懸念が現実のものとなった。
祖国革新党は2025年10月、チョ院長が非常対策委員長を務めていた時期にチョ最高裁長官に対する弾劾訴追案を公表していた。チョ院長は「弾劾案の公表から約1年が経過したが、チョ最高裁長官の姿勢には何ら変化が見られない」と指摘した上で、「問題は与党である民主党が決断を下せず、内部抗争に明け暮れて1年を無駄にしたことにある」と批判を展開した。金建希氏の保釈決定など司法判断への国民の怒りは、最高裁のみならず無策な与党にも向かうと警告した。
パク元法相の裁判が上告審で争われる中、戒厳令をめぐる責任追及の行方と、最高裁長官の弾劾訴追に向けた政界の攻防は一段と過熱する見通しだ。
【編集長の韓察眼】
一審求刑懲役15年の韓悳洙元首相に対しても懲役23年を言い渡した経緯を踏まえれば、今回の二審判決は一審判断が「結論ありき」だったとの疑念を裏付ける形となった。李珍官裁判長は今後、共に民主党が導入した法歪曲罪の対象となる恐れが十分にある。31日に迫る金建希氏保釈の可否判断を控え、最高裁長官の弾劾訴追に向けた攻防を注視したい。

