【韓察日報】法務部長官候補の指名を辞退したキム・スンウォン(金勝源)議員を巡り、元補佐官が李在明(イ・ジェミョン)大統領宛てに送付した嘆願書の存在や、辞退劇の緊迫した経緯が明らかとなった。韓国KBSなどの報道によると、元補佐官は大統領府にセクハラ疑惑や会計不正疑惑を記した文書を送信しており、韓国KBSとのインタビューを約束した直後にキム氏が急遽指名辞退を発表したという。さらに、この報道を巡って与党議員による報道圧力疑惑が持ち上がり、警察への告発に発展している。
■大統領府へ送られた100ページの嘆願書と急転直下の指名辞退
キム・スンウォン議員の元補佐官は今月17日午前、テレグラムを通じて大統領府のホン・イクピョ政務首席および李在明大統領宛てに嘆願書を送付した。ホン首席からは約30分後に「時間があまりない」「大統領に報告する」旨の電話があったとされる。
送られた文書は100ページに及び、キム氏のセクハラ疑惑といった個人的な不祥事に加え、その大半は民主党京畿道党の会計不正疑惑をまとめたものであった。李大統領は翌18日の記者会見で「まだ最終的な結論は出せていない」と述べるにとどまり、大統領府が事実関係の把握を行ったかどうかは確認されていない。
その後、元補佐官はKBSとの取材インタビューを約束し、その旨を大統領府側にも伝えた。すると直後にKBS側へ「キム氏が辞退する」との連絡が入り、わずか50分後にキム氏は指名辞退記者会見を行った。大統領府はこの件に関して立場を明かしていない。
■報道に対する圧力疑惑 市民団体が与党幹部を警察に告発
一連の経緯が報じられると、問題は政界全体へと拡大した。TV朝鮮の報じたところによると、市民団体「庶民民生対策委員会」は、国会科学技術情報放送通信委員会の与党「共に民主党」幹事であるハン・ジュンホ議員を職権乱用や強要、放送法違反などの容疑でソウル警察庁に告発した。
同市民団体は、KBSの報道後にハン議員室が報道担当者へ「候補者が辞退したのだからそれでいいのに、なぜ記事を出すのか」という趣旨の電話をかけたと指摘し、職権乱用や国政監査を控えた状況での業務妨害に該当すると主張している。
こうした指摘がなされる一方、TV朝鮮はハン・ジュンホ議員室側の反論も伝えている。同議員室は当該記者と通話した事実そのものを否定しており、記事の修正や続報の中止を要請したこともないと主張を真っ向から否定した。
【編集長の韓察眼】
突然の指名辞退の背景には、身内による党内不祥事の内部告発があった。報道機関へ圧力をかけた与党側の不当介入疑惑は、かえって嘆願書の存在感を際立たせる皮肉な結末を招いている。警察捜査の展開や国会での会計不正追及を通じ、本件が与野党攻防および今後の政局に与える影響へ注視したい。


