【韓察日報】 米国からの要請を受け、韓国政府が中東・ホルムズ海峡への軍派兵を検討していることに対し、イラン側が「直接的な軍事侵略であり、戦争への参加とみなす」と猛反発を示している。韓国KBSなどの報道によると、米イラン間で報復の悪循環が続く中、李在明(イ・ジェミョン)政権による派兵検討の動きに対し、イラン側は韓国の資産破壊までも示唆して強い威嚇を行っている。一方、韓国内部では軍事リスクや政治的負担を考慮し、派遣規模を当初予定から大幅に縮小する模索が始まった。
■「韓国資産も標的」 イランが警告
イラン政府高官は親ヒズボラ系メディアとのインタビューで、韓国が米国の圧力に応じて対イラン措置に踏み切った場合、これを戦争参加とみなすと警告した。テヘラン大学のモハメド・マランディ教授は「派兵が実施されれば、中東内に存在するすべての韓国資産を破壊対象とする。軍事資産に限定されない」と語り、強い拒絶反応を示した。現在、ホルムズ海峡では米中央軍とイラン軍が互いの船舶やタンカーを相次いで攻撃し合っており、緊張の高まりが極限に達している。
■防衛能力と政治リスク考慮し「50人規模」へ縮小検討
この事態を受け、韓国政府・軍は派遣戦力の大幅な見直しに着手した。韓国SBSは国防部高官の発言として、派兵計画から軍需支援艦(補給艦)を除外する方向で政府が有力な案として検討していると報じている。当初は150人以上の規模が予想されていたが、100人以上の乗組員を伴う補給艦の派遣は政治的リスクが高い上、旧型の「天地」級の老朽化や最新型「昭陽」級のエンジン不具合など、防御能力の脆弱性が懸念されたためだ。
補給艦を除外した新たな見直し案では、P-8ポセイドン海上哨戒機の乗組員・整備要員(20〜30人)と爆発物処理班(EOD、20〜30人)の「約50人」へと規模を圧縮する見込みだ。支援艦を伴わない運用となるため、哨戒機によるデータリンクでの情報共有や、他国海軍の掃海艦に乗船しての機雷除去など、外国軍との連合作戦に依存する形となる。
■外交的判断に迫られる李大統領
米国の圧力とイランからの報復警告、そして自国軍の現実的な制約に挟まれ、韓国政府は極めて難しい判断を迫られている。フランスを国賓訪問中の李在明大統領は、マクロン大統領との首脳会談においてホルムズ海峡問題や派兵のあり方について協議を交わす見通しだ。
【編集長の韓察眼】
米国からの強い打診とイランの厳しい報復警告が激突する中、韓国政府は深刻な妥協点模索を強いられている。過去の海外派兵でも見られた対米協調と中東実利の相克に加え、防衛能力上の制約が規模圧縮という苦肉の選択へ導いた格好だ。安全保障上のリスクを最小化しつつ同盟関係を維持する絶妙な着地点を見出せるか、今後も李在明政権外交を注視したい。


