- 韓国政府が清海部隊の作戦域をオマーン湾へ拡大し、哨戒機追加を検討。
- 米軍との情報共有による「迂回派兵」の懸念から、与野党の対立が激化。
- 期限が迫る中、苦渋の延長同意案に対し国会がどのような結論を下すか。
【韓察日報】韓国政府が、ソマリア沖アデン湾に展開する海軍「清海部隊」の作戦区域をホルムズ海峡の玄関口にあたるオマーン湾まで拡大し、海上哨戒機を追加投入する案を検討していることが分かった。韓国KBSなどの報道によると、自国商船の保護能力を強化する目的である一方、米軍との軍事情報共有を通じた「間接的な迂回派兵」につながるとの懸念が浮上しており、政界では与野党による激しい攻防へ発展している。
■作戦海域の拡大と哨戒機増強を検討 「迂回派兵」の懸念も
清海部隊第49陣は、4,400トン級駆逐艦「忠武公李舜臣」に海上作戦ヘリコプターと将兵約250名を乗せ、今月2日に釜山港を出港した。同部隊は船舶の安全航行支援および有事における自国民の保護任務を担っている。
政府はこれまで清海部隊の派兵期間を国会の同意を経て毎年1年ずつ延長してきたが、来年度の延長同意案の国会提出を前に、作戦区域を現在のアデン湾からオマーン湾一帯まで拡大し、海上哨戒機1機を追加配備する案を検討中だ。国防部は「延長同意案の具体的内容は決定していない」としつつも、「近隣海域での海賊活動が例年に比べ急増した」と背景を説明した。
しかし、オマーン湾は原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の目前に位置する。広域の監視・偵察能力を持つ海上哨戒機が収集した情報が米軍と共有された場合、事実上の迂回派兵と受け止められる余地が大きい。一方で、この程度の戦力補強では米国が期待する水準に届かないとの見解もある。韓国国防研究院のユ・ジフン研究委員は「戦争当事者として深く関与するリスクを避けつつ、一定の役割を果たさなければならないという二つの課題に対し、バランスの取れたアプローチを図っている」と分析した。
カン・シンチョル(姜信哲)国防部長官は、近いうちに清海部隊の派兵同意案を国会へ提出する方針だと明かした上で、「任務などを多角的に検討している」と述べるにとどめた。
■野党・国民の力は「二枚舌」と批判、与党・共に民主党は「不安助長」と反発
政府の動きを受け、政界でも激しい摩擦が生じている。ニュース1の報道によると、与野党は17日、清海部隊の作戦範囲拡大と戦力補強の検討を巡って応酬を繰り広げた。
野党「国民の力」のパク・ソンフン首席報道官は論評を出し、「李在明(イ・ジェミョン)政権のホルムズ海峡対応には原則も戦略も説明も見当たらない」と批判した。「李大統領は戦争介入を目的とした派兵はないと断言したが、国防部は作戦範囲の拡大や哨戒機の増強を検討している」とし、「派兵という言葉を使わなければ軍事的な危険が消えるのか。国民は一体誰の言葉を信じればよいのか」と追及した。
パク報道官は、米国の軍事的貢献要請への対応策やイランの報復リスク、将兵に課す任務の範囲を明示すべきだと要求した。「既存の派遣延長同意案に新たな作戦範囲や任務を含めるなら、別途の国会同意が必要かどうかを説明すべきだ。国会の同意権は政府の都合で迂回できる形式的な手続きではない」と牽制した。
これに対し、与党「共に民主党」のキム・ソンフェ院内報道官は書面を通じた論評で反論した。「李大統領は戦争介入を目的とした派兵は行わない方針をすでに明確にしており、政府も決定事項はないとの立場を明かしている」と強調した。「国家安保と将兵の安全がかかる重大事案に対する『国民の力』の態度は極めて軽率だ」と非難した。
キム院内報道官は、野党が党利党略から疑念を呈して国民の不安を煽り、政府の外交的交渉力を低下させていると指摘した。「韓米同盟を強固にし国益を守るべき重要な局面において、(罷免された尹錫悦前大統領の)内乱を擁護するような妄言で国民を分断する時ではない」と述べ、第1野党として責任ある対案を示すよう促した。
【編集長の韓察眼】
11月1日の期限まで残りわずかの時期に出された検討案からは、韓国政府の苦しい立場が読み取れる。与党陣営の一部はすでに反対の意志を表明しており、週明けにも反対運動を本格化させる構えだ。韓国国会が2週間という限られた時間で、どのような答えを導き出すか注視したい。

