【韓察日報】乗客179人の犠牲者を出した務安空港事故をめぐり、警察庁国家捜査本部の「12・29旅客機惨事特別捜査団」は8月26日、事故原因となった空港設備の違法性を隠蔽するために虚偽の報道資料を作成・配布したとして、韓国国土交通省の公務員7人を虚偽公文書作成の容疑で検察に送致した。MBCなどの報道によると、事故直後に配布された報道参考資料は内部の反対意見を無視して作成されたものであり、警察は同省が組織的に対応方針を構築して問題を隠蔽したとみている。惨事に関連して立件された計74人のうち、検察へ送致されたのは今回が初めてとなる。
■「壊れやすい構造」規定を無視 内部の異論を排除
2024年12月29日、務安空港で済州航空の旅客機が胴体着陸を試みた際、空港施設である方位角誘導装置「ローカライザー」に衝突して爆発事故が発生した。ローカライザーは衝突時の衝撃を和らげるため「壊れやすい材質や構造」で設置しなければならない国内規定および国際民間航空機関(ICAO)の指針が存在する。しかし、同空港にはコンクリート構造物で建設されていたため、爆発と被害拡大の主な原因として批判が相次いでいた。
これに対し国土交通省は同年12月30日と31日に相次いで報道資料を発表し、「安全区域の外にあり、関連規定に従って設置された」と釈明して火消しを図った。しかし警察が2度にわたる家宅捜索で会議資料などを押収・分析した結果、同省内部で規定違反の可能性や反対意見が提示されていたにもかかわらず、これらを徹底的に無視し、同省に有利な規定のみを盛り込んだ資料を作成していたことが判明した。
■「適法」の表現を微修正 過小評価と隠蔽の全容解明へ
東亜日報は、当初作成された資料のタイトルに「適法に設置された」との表現が含まれていたものの、会議の過程で主張が過剰だという意見を受け「関連規定に従って設置された」へと変更されていたと報じている。警察の特別捜査団長は「壊れやすい台座に設置されるべきなのに、安全区域の外にあるため問題ないと説明した点に問題がある」と明かした。なお、当時の大統領室との協議については、弾劾政局の影響で別途行われなかった。
今回検察に送致されたのは、報道参考資料の作成・検討を担当した実務者と決裁を行った幹部ら計7人だ。送致対象の内訳について、MBCは幹部5人と実務者2人と伝える一方、東亜日報は担当者4人と総括責任者3人と報じている。警察は事故原因を過小評価・隠蔽しようとした組織ぐるみの関与をみているほか、業務上過失致死傷容疑に関する捜査も速やかに終える方針だ。
【編集長の韓察眼】
官僚機構における保身優先の体質と安全規範の形骸化が、大惨事直後の責任回避行動を誘発した。過去の大型事故でも繰り返されてきた不都合な情報の遮断や異論排除の慣行は、現地メディアでも深刻な組織病理として糾弾される。末端の立件のみで幕引きとせず、隠蔽を図った意思決定の全容解明と規制権限の抜本的見直しが進むかに注視したい。

