【韓察日報】野党「国民の力」のイ・ジンスク(李眞淑)議員が国会内で主催した集会において、現職である李在明(イ・ジェミョン)大統領の写真を加工した「遺影」が登場し、与野党間で激しい対立が巻き起こっている。韓国SBSなどの報道によると、国会本庁前で開催された集会で問題の横断幕が掲げられ、与党「共に民主党」は猛反発している。一方のイ議員側も過去の事例を挙げて真っ向から反論しており、国会内での非難の応酬は委員会での決議案強行採決にまで発展する事態となっている。
■大統領の「遺影」掲出に与党猛反発
騒動の発端となったのは、国会本庁前で開催されたイ議員主催の集会「国民が審判する!国民大会」。会場では「不正選挙の真実を明らかにせよ」「5・18有功者を全面公開せよ」といった主張が繰り広げられたが、一部の参加者が李大統領の写真を遺影風に加工した大型の横断幕を掲げていた姿が捉えられ、物議を醸した。
この事態を受け、与党「共に民主党」は怒りを露わにしている。ハン・ビョンド院内代表は最高委員会で、「国会を極右勢力の活動拠点へと変質させ、現職大統領の遺影を集会の道具にする事態は信じがたい」と厳しく批判した。同党のイ・ジュヒ院内広報官も「5・18を貶める勢力を引き入れた挙句、大統領の遺影まで持ち出す姿勢は正気か」と直ちに辞職と謝罪を要求し、ソ・ミファ最高委員も主催者としての責任を追及するなど、党を挙げて非難を強めている。
一連の混乱を受け、国会事務処も「5・18に関する歴史の歪曲と名誉毀損が繰り返され、国会が極端な憎悪と対立の場に変質したことに深い遺憾の意を表する」と声明を出し、再発防止策を推進する方針を明かした。
■イ議員は「主催者が設置したものではない」と反論 過去の事例挙げ与党の二重基準批判
一方のイ議員側は、「横断幕の掲出は個人の参加者が行ったものであり、主催側が設置したものではない」と説明している。さらに自身のSNS上で、過去に尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の罷免を求める集会で民主党議員が「斬首」と書かれた模型の刀を掲げていた写真を引用し、「民主党の『自分には甘く、他人には厳しい』姿勢だ」と強く反論した。
■「スカンク」発言も飛び交う泥沼の攻防
こうした中、騒動の波紋は実際の議会運営にも悪影響を及ぼしている。MBNは、国会科学技術情報放送通信委員会が今月8日、イ議員の懲戒や告発、放送通信委員長在任時の関与行為などに関連する案件について、発言および表決の回避を求める決議案を可決したと報じている。同委員会では、共に民主党のハン・ジュンホ議員が議事日程変更同意案を提出した。同じくイ・ヨンヒ議員は「一匹のスカンクが国会を悪臭で包んだ」という米国の政治格言を引用してイ議員を強烈に非難した。
これに対し、野党「国民の力」の議員らは強硬に反発して抗議退場したが、ソン・ギホン委員長のもとで採決が推し進められ、与党主導で決議案は可決された。イ議員は民主党側の集団記者会見を非難し、「民主主義に対してスカンクのような悪臭を放っているのは民主党側だ」と強い遺憾の意を表明しており、与野党の対立は収束の兆しを見せていない。
【編集長の韓察眼】
民主党の思惑とは裏腹に、李眞淑議員に対する攻撃や排除の試みは、彼女の支持層を結集させている。かつて同党が国会内で朴槿恵・尹錫悦両大統領のヌード画を展示し「表現の自由」と主張した経緯との対比は鮮明だ。今後も言論の自由をめぐる二重規範を注視したい。

